好機は何度も、アガリは一度も─ 内川幸太郎が掴めぬ勝機【Mリーグ2026-27 観戦記 11/3 第1試合(麻雀ch)】担当記者 飯盛裕美子

好機は何度も、アガリは一度も─

内川幸太郎が掴めぬ勝機

文・飯盛裕美子【火曜担当ライター】2026年11月3日

11月3日、Mリーグ2026-27シーズン、麻雀ch第1試合。

岡田紗佳と東城りおが激しく点棒を奪い合う一方で、何度も勝負手を仕上げながら、全くアガリに恵まれなかった者がいる。EX風林火山の内川幸太郎だ。

5度のリーチに加え、仕掛けからもアガリを目指す。しかし、あと一歩のところでアガリが掴み取れない。

昨シーズンの覇者である風林火山は、現在チーム最下位。巻き返しを図りたい内川を待ち受けていたのは、麻雀の非情さを思い知らされるような半荘だった。

第1試合

東家:瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
南家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
西家:内川幸太郎(EX風林火山)
北家:東城りお(BEAST X)

実況:日吉辰哉 解説:土田浩翔

■ 枚数では勝った、展開に負けたリーチ

東3局、先制リーチを放ったのは岡田。リーチ・平和の【2マン】【5マン】待ち、【2マン】ならイーペーコーだ。

そこへ内川が追っかけリーチで応戦する。現状リーチのみだが、【7マン】でアガれば567の三色同順となる、打点も期待できる勝負手だ。待ち枚数は5枚、岡田を上回っており、勝負の天秤は内川に傾いているかに見えた。

しかし、その直後天秤は岡田に傾く。内川が掴んだのは【赤5マン】。岡田のアタリ牌だ。

自身のアガリ牌を引き寄せるよりも先に、相手のアタリ牌を掴んでしまった。リーチ・平和・赤・裏となり、結果は8000点の放銃。麻雀には、こうした巡り合わせがある。だが、この日の内川にとって、それは苦難の始まりに過ぎなかった。

■ 好形を仕上げても、報われない

東4局1本場、ドラ【8ピン】。内川は【赤5マン】を引き入れ、イーペーコー・赤のテンパイをリーチ。待ちは【3ソウ】【6ソウ】。【3ソウ】はすでに場に3枚見えていたが、アガリ牌は山に2枚残っていた。

瑞原も【4ソウ】をチーして索子の一気通貫をテンパイ。待ちは【4ピン】【7ピン】だが、こちらは山に0枚。

さらに岡田も【2ピン】【5ピン】【8ピン】待ちの平和・ドラ2のリーチで参戦している。こちらも大きなアガリが見込める手だ。

3人のテンパイが交錯する中、東城は誰にも通っていない【2ピン】を選択。これが岡田への放銃となった。共通安牌がないことと、【7マン】が入れば自身も勝負手になることからのプッシュか。これが8000点の放銃となり痛い失点となる。

内川はまたしてもアガリを逃した。決して手が入っていないわけではない。十分にアガリを狙える手牌だった。手組みは実を結び、テンパイまではたどり着く。しかし、そこから先がどうにも噛み合わない。

■ 手順マエストロ炸裂!王牌に眠る、3枚のアガリ牌

南2局1本場、ドラ【4マン】。内川に赤赤の勝負手が入る。手順マエストロと呼ばれる内川の巧みなうち回しが光る。【1ピン】【4ピン】、【6ピン】【9ピン】、カン【6マン】のターツ選択に迫られたイーシャンテン。内川は打【7マン】とした。

平和ドラ1は基本的には勝負手で、よほどのことがない限りはリャンメンリャンメンのイーシャンテンにとるところ。ただ、この局ドラは【4マン】。【赤5マン】にくっつけばさらに高打点が見えてくる。苦しい内川を救う救世主的なアガリにつながるかもしれない。ストレートにテンパイすれば【赤5マン】切りも辞さない構えだ。

次巡に引いたのは、ドラ【4マン】!ドラが増えたことに加え、345の三色も見えてくる。内川の選択は【8ピン】。

これは教科書的な何切るで、ただ【6ピン】【9ピン】ターツをはらったわけではない。【7ピン】を持っていることで、【6ピン】を引いた時も【3ピン】切りでテンパイがとれるのだ。ピンズは【1ピン】【4ピン】【6ピン】待ちで、ロスは【9ピン】の1種類のみ。

続いて持ってきたのはさらにドラ【4マン】。これを内川は長考の末ツモ切りとした。ツモ切りをしておくことで、リーチになった際の【3マン】【6マン】のロンあがりのしやすさがほんの少しだけあがる。

【1ピン】を引いて、【3マン】【6マン】待ちでリーチだ!今までのアガれなかった手牌たちのことはもういい、水に流そう。だがこれだけはアガらせてくれ。そんな声が聞こえてくるようだ。【3マン】のアガリならリーチ・平和・三色・赤赤ドラ、あと1飜で倍満だ。そんな【3マン】【6マン】は山に3枚。

親の岡田も混一色で同じ【3マン】【6マン】待ちのテンパイを入れ、真っ向からぶつかるも、終盤にはオリを選択した。

内川のツモる手に、かなり力がこもっているように見える。

ここまで幾度となくアガリに手をかけながら、結果には結びついてこなかった。今度こそ、この勝負手を実らせたい。

しかし、待てど暮らせどアガリ牌は姿を現さない。残されていた3枚のアガリ牌は、すべて王牌の中に眠っていたのだ。内川がその事実を知る由もない。

一打一打に望みを託し、ぎゅっとツモる内川。しかし、彼が求める牌は、最初からその手の届かない場所にあった。

そして流局。

渾身のリーチは、またしても水泡に帰した。

■ 山に5枚、それでも届かない

南3局2本場、内川の親番。【白】を暗刻にした【4マン】【7マン】待ちの先制リーチを放つ。

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