熱論!Mリーグ【Mon】
どんなに罵倒されても
心を折られそうになっても
萩原聖人はここにいる!
文・花崎圭司【月曜担当ライター】2018年12月3日
師走。12月に入り、寒さも本格化してきました。
そして日曜の「熱闘!Mリーグ」を見ていたらとんでもない風景が。
ビキニでギターって! じゃいさんのリーゼントのボケがかすむぐらいのインパクト!
ミュージシャン兼グラビアアイドルの藤田恵名さん。
知る人ぞ知る「ミスiD」出身なのですね。覚えました。いや、この姿をされたら覚えざるをえません。
「年末年始、みなさんどう過ごしますか?」みたいな話をしようと思ったのですが「熱闘!Mリーグ」が強烈だったので、この話からになりました。
というわけでMリーグも12月期に入りました。
チーム成績、個人成績の変動もあり、Mリーガーの個性も見えてきて面白くなってきました。
その中で、ひとり今の状況を面白くないと(推測ですが)思っている人がいます。
萩原聖人プロです。
萩原聖人“プロ”、という響きも、いまだ慣れない部分があります。
萩原さんはむしろ「プロなにするものぞ」という考えだったと思います。
それが今年7/21に日本プロ麻雀連盟に入り、8/7にMリーガーとなりました。
つまりプロ歴5ヶ月のオールド・ボーイなのです。
彼がどこまでプロで通用するのか?
萩原が麻雀をしている姿は、麻雀ファンなら一度は見たことがあると思いますが、それがどこまで通用するのか?
プロ歴が浅い、という点ではASAPINこと朝倉康心プロも今年3/2に最高位戦プロ麻雀協会に入っているので同じです。
ただ朝倉はネット麻雀で名を知られ、さらにアマチュアの頃からプロに勝ち、「麻雀」で有名になりました。ASAPIN最強説を唱える人も多くいます。
つまり麻雀ファンは萩原には疑問符を持ち、朝倉には歓迎のムードがありました。
そして実際はどうか?
朝倉は42.5ptで21人中9位。
萩原は-253.5ptと21人中21位。
萩原は断然の最下位、ダンビリである。
対局中の視聴者コメントでは萩原を悪くいう言葉が並ぶ。
プロだから、結果を出すのが使命である。
なので、このポイントで非難されるのはごく当たり前、いたしかたないことだが、その言葉をいっていいのは、萩原が所属するTEAM雷電のサポーターだけかと思う。
他のチームのサポーターは、ラッキーと思うのが自然なのではないだろうか。
TEAM雷電は瀬戸熊直樹が個人成績2位、黒沢咲が3位。この2人の貯金を、萩原が1人で食い尽くしているのである。
もちろん「自分はどこのサポーターでもない。いち麻雀ファンだ」、という人もいるはずだが、だとしてもコメントの言葉が悲しいぐらい汚い。リスペクトがない。
日本のサッカーの底上げとなったJリーグも今年で25年。その初年度は「ブラジル帰りでサッカーがうまいらしい」ぐらいの認識だった三浦知良、「海外ですごい人らしいよ」ぐらいの認識だったジーコ。でも派手な演出と、カズのシザーズ・ドリブル、ヴェルディのカズがPKを蹴る前、アントラーズのジーコがやった行動による因縁。そういったものがJリーグの盛り上がりに貢献していった。
詳しくはわからないけど、面白い。
ピッチに22人いるけど、知っているのは3人ぐらい。でも面白い。
そんなJリーグサッカーの面白さを引き出してくれたのは、海外選手がいてくれたことが大きい。
Mリーグでその存在なのが、萩原聖人だ。
麻雀のためにMリーグに参加することを決意し、Mリーグに参加するためプロになり、テレビなど出演するときはMリーグの話をし、広告塔となってくれている。そして、それが唯一できる選手が彼だ。
「雷電の麻雀は面白いですよ」
そう語り、今までは考えられなかった“顔にチームカラーのペイント”をして対戦したり(もちろん他の対局者への邪魔にならない程度のペイント)、自ら盛り上げ役をかってでている。
ペイントという発想は、Mリーグを盛り上げようと思うなら、思いつく。
他のチームはそういった面で盛り上げようと思ったのだろうか?
そして思いついたなら、それを実行しようと思ったのだろうか?
その両方ができたのがTEAM雷電であり、萩原聖人なのである。
もう一度言う。
今の成績に一番悔しく、ふがいないと思っているのは萩原聖人である。
今の位置から脱出するために、チームと仲間の2人のために、そして雷電サポーターのために彼はもがきながら麻雀牌を摸打している。
Mリーグ第34節 第1回戦
座り順は
南家・朝倉康心(U-NEXTパイレーツ)
西家・茅森早香(セガサミー・フェニックス)