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文・越野智紀【火曜担当ライター】2023年5月16日
第2試合
東家:黒沢咲(TEAM RAIDEN / 雷電)
南家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家:松本吉弘(渋谷ABEMAS)
北家:勝又健志(EX風林火山)
先日の試合で南場の親番が流された瞬間、逆転優勝が厳しくなったことを悟り肩を落とした勝又選手。
麻雀中のあらゆる事象に動じない男の見せた一瞬の揺れに、もうダメなのかと感情移入してしまい胸が締めつけられました。
ただ本人は即座に切り替えて現状で出来るベストを求めて思考をフル回転させていたので、これにはさすがの一言です。
優勝すると5000万で2位は2000万・3位1000万とそれぞれ差がつけられているので、風林火山ぐらいポイントが離れたチームはまずポイントを稼ぎ、その結果落ちてきたチームに狙いを定めて1つでも上の順位を目指すのが現実的な目標だと言えます。
どこが勝っても初優勝の上位3チームの争いは
1戦目に滝沢選手から16,000オールが飛び出し
麻雀格闘倶楽部が首位ABEMASとの差を詰めることに成功。
残り5戦の合計着順で2差をつけれたら逆転できそうな位置まできました。
この日の2戦目、試合が大きく動いたのが東3局
黒沢選手は自風でドラのをポンせず。
上位2チームと同様に初優勝を目指す雷電は現状3位で、残り5戦で3トップは必要な状況。
黒沢選手と言えばMリーグの中で最も鳴かないタイプの打ち手で、手数よりも一撃の破壊力を売りとしています。
このもらったチャンスは最大限に生かすと、大きなトップを目指して普段通りのセレブ麻雀を見せてきました。
このセレブゲージがMAXになった黒沢選手の狙いにツモも反応したか、手が伸びてイーシャンテンまで辿り着きます。
を切れば萬子の変化を見ながらのポンテンも取れる形になりますが、
黒沢選手の狙いは好形リーチで上手くいけば三色にもなる切り。
黒沢選手のセレブっぷりが最大限に発揮された時、やってくるのはか?それとも二度受け埋まるか?そう恐る恐る見ていると
本人も「ガックリきてしまいました」といったツモ。
三色でもドラでもないツモに何かイメージと違うの引いたなと思っていましたが、テンパイを逃した後に松本選手がリーチをかけてツモアガリ
裏ドラが。
実はドラドラ赤裏裏裏の隠れセレブチャンスが眠っていました。
を鳴かずシャンポン受け残しの高難度クリアはあまりにも厳しすぎる条件なのに、黒沢選手に与えられたチャンスはこの1局だけ。
この刹那の雷光を捕まえることが出来ず、雷電は優勝争いから大きく後退することになりました。
東3局1本場、寿人選手の仕掛けに対し
4枚目のを引き入れた松本選手がリーチをぶつけていきます。
全面対決の構えを見せていた寿人選手の手がトイトイに変化し、更に加速する無筋連打。
ノータイムで押し続けること6巡。
4本目の無筋となったが
遂に捕まってしまうと裏ドラが4枚持ってるに乗り、渋谷に立った高層ビル。
ABEMAS優勝なら、このアガリが決定打と言っても過言ではないリーチ赤赤裏裏裏裏の18,300点直撃が出ました。
この直後に「油断は禁物」と自分を戒めるかのように険しくなる表情。
自分のやるべき仕事を全うするんだと、全身に力が入ります。