熱論!Mリーグ【Mon】
小説「ASAPINの青春」
〜高山一実(乃木坂46)
処女小説「トラペジウム」
(勝手に)発刊記念〜
文・花崎圭司【月曜担当ライター】2019年1月28日
もう! かあちゃん! なんで起こしてくれなかったの!?
対戦の7時(夜の)に遅れちゃうよ!
あー、もう遅刻遅刻! ご飯(夕食)いらない! 行ってきます!
対局場、駅から結構あるんだよね! ダッシュダッシュ!
あ、僕の名前は朝倉康心。
パイレーツ高校1年生。みんなからは“ASAPIN”って呼ばれてるんだ。よろしくね!
対局場についた! よかったあ。間に合った。
……あれ? 僕が一番乗り? 東家か。
一番乗りって“縁起”がいいよね! なんか今日は勝てそうな気がする! あ、こんなことコバゴー先輩に聞かれたら「理にかなっていない」と腕ひしぎ逆十字からの肩固めで落とされてしまうから注意注意!
でもドキドキするなあ。これは走ってきて息を切らせてるからだけじゃない。
自分の正面には風林火山学園の子が座るんだ。その子は僕のアコガレ、二階堂亜樹さん。
可愛いのにSっぽい感じがゾクゾクしてしまう。この前、くるくる触覚ヘアーで可愛かったなー。触覚好きだから、また同じヘアスタイルがいいな。
あ、足音。亜樹さんが来る。今日はどんな感じかな……?
わ! 聖子ちゃんカット! 予想外のヘアスタイルで可愛い!
昔、猫も杓子もレディースヤンキーもこのヘアスタイルだったから、いろんな意味でゾクゾクしちゃう。
あ、ダメダメ。今は麻雀に集中集中。ASAPINのバカバカ!
今日もパワーストーンの力を借りて、パイレーツ高校の勝利と亜樹さんのハートをゲットするぞ!
でも風林火山学園は偏差値307.6ptの超エリート高校。
僕のパイレーツ高校の偏差値は、-105.1pt……とほほー。
しかも亜樹さんは最下位回避率が0.90と超ガードがかたいんだよなー。僕には高嶺の花。対面から見てるしかない、遠い存在。あ、ボーッとしちゃた。ちゃんと手出しツモ切りを見ていないとバッシー先輩から子供の動画を朝まで見せつけられちゃうから、注意注意!
東1局はさすが亜樹さん、8000点のアガり。僕も追いつくぞ!
がんばる東2局!
――と思ったら、いつも学校の校門で遅刻チェックしている「地獄の門番」前原先生がリーチ!
さらに「生まれてからずっとイケメン」で有名な雷電高校の萩原くんが、前原先生に反抗するように押している! こういうところがモテるんだよなあ。
でも亜樹さんはガードがかたいから、もうオリているかな?
あ、笑った。
ツモりながら笑うところも可愛いなあ。
……あれ? 亜樹さん、切った? 全然通ってないけど……もしかしてテンパってるの?!
どうしよどうしよどうしよ!
と、とりあえず落ち着いて、山から牌をツモろう。
ぎゃー!!! テンパっちゃったーー! テンパって僕もテンパるー! 語源はここから。
ということじゃなくて! 切ったらテンパイできるけど、これ、ドラだよー。亜樹さん、これ待ってるかもしれないーー!
場をよく見て、ASAPIN! こんなときは……こんなときは……
亜樹さんの捨牌と同じを切ってオリよう。
でもすぐ手詰まるーー! あー! パワーストーン! 僕に安全牌をーー!
でもなんとか放銃せずにすんだ。よかった。
……あれ? 亜樹さんがハイテイだ。
いやいや! そんなこといってる場合じゃない!
この勝負でトップに立たないとMリーグのFINALに進めない! FINALまでいってもっと亜樹さんと麻雀を打ちたい!
そして亜樹さんにいいところを見せるぞ!
東3局!