熱論!Mリーグ【FS第2節】
リーチ棒は曲げても
信念は曲げない!
村上淳の闘争本能
文・梶谷悠介【FS第2節担当ライター】2019年3月2日
さあ第2試合にいきましょうか!
と、おそらくファイナルシリーズの説明やらは第1試合の観戦記にあるだろうから(もしなかったらすみません!)省略するとして、ちょっとだけ前置きをいいだろうか。
この土日の15時~という放送時間帯、休日とはいえリアルタイムで観れない方が結構いるのでは?と思ってしまうのである。
麻雀プロの対局はほとんどが土日祝日に行われる。普段は別な仕事をしている者が少なくないためなのだが、この枠だと多くの麻雀プロは放送時間と対局が重なってしまうことになる(ちなみにこの日は日本オープンのプロ予選が行われていた)。また、一般の方でも土日は普通に外出したり麻雀を打ちにいく方も多いだろう。
これが野球であればファンはデーゲームを観戦する=余暇を楽しむということで休日の昼間は丁度いいというのかもしれない。しかし麻雀の場合は野球と違ってファンも麻雀を打つ方が多い。そちらを優先して結局ファイナルシリーズはビデオ放送でということになってしまわないだろうか。
できることならファイナルシリーズの熱はリアルタイムで感じてもらいたい。レギュラーシーズンの平日19時~という枠は夕食時に観るのに丁度よかった。ファイナルシリーズの枠も同じ時間帯でよかったのにと考えてしまうのだがいかがだろうか。
来期に向けて放送画面の見直しは必須だろうが、同時に放送時間帯の見直しも検討してもらいたいところである。
というわけで第2試合を見ていこう。
1回戦、たろうのトップでトータル1位の風林火山まで60pt弱まで迫ってきた2位ドリブンズ。Mリーグでの登板は1ヶ月以上振りの村上に襷が渡された。
東1局0本場
絶好のカンチャンを引き入れて白鳥が先制のリーチを打つと
村上の追っかけリッチが入る
これに勝ったのは白鳥。1000/2000のツモアガりとなる。
東2局0本場
イーシャンテンとなった村上。受けの広さなら打だが、まだ5巡目ということもあって打とし、好形高打点を目指す。
狙いとは少しずれた形でのテンパイ。打として、引きに期待する手もあるが、ここは打として単騎テンパイに取った。
これが絶好のに変化し本日2度目のリッチ!
だがこれも現物待ちのダマテンをしていた勝又にかわされてしまう。
東3局0本場
好配牌をもらった村上。のシャボテンパイは捨て牌にと切っておりダブル筋待ちになっている。ここでリーチする手はあるが、ダマでも5200あることと引きでタンピンイーペーコーに変化することからダマを選択した。上家の勝又が国士をやっているのも後押ししたのかもしれない。
そしてを引き入れ本日3度目のリッチ!
空振りが続いても好形高打点はリッチ!
村上といえば小林と並ぶデジタル雀士の代表格である。何度リーチが不発しようとも打牌に影響はないだろう。だが気持ちの上ではそうはいかない。何度も不発が続けば「次もだめかもな」となってしまうのが人間なのである。
思い返せば村上のレギュラーシーズンリーチ成功率41%は全選手中ワースト3位に入る記録である。決して無謀なリーチを打たない村上にとってこの数字は不本意としかいいようがなかっただろう。
だがそれでもリーチを打つ。大きなりっち発声はその信念を曲げまいとする決意の表れのように感じた。
これにポン、をチーしていた白鳥が満貫テンパイで追いつくも
「ツモ!」
3度目の正直でついに跳満をものにした。
東4局0本場
またも良い手をもらった村上。打とすればに加えてでもテンパイするが、打としてのくっつきの目を残した。タンピンの他に456の三色も狙える。村上の目は常に好形高打点を見据えている。
引きでテンパイするが、なんと打でテンパイ外し。
のくっつきで三色、引きで二盃口も狙える。周りの捨て牌を見ても白鳥以外はまだヤオチュウ牌を整理している段階で早そうに見えない。
このテンパイも打で拒否!
ついに引き入れた最高形。本日4度目のリッチだ!
なかなかツモれん!
村上はデジタルといっても感情を表にするタイプである。Mリーグの舞台でどうしてもこの手をツモりたいのはわかる。だがそれにしても力が入りすぎているように見えた。その理由は後のインタビューで語られることとなる。