熱論!Mリーグ【FS第24節】
“敗者が勝者を造る”
赤坂ドリブンズの
優勝を輝かせ、爪痕を残して
散ったMリーガーたち
文・ZERO【FS第24節担当ライター】2019年3月31日
昨日、半年間に及ぶMリーグのシーズンが大団円を迎えた。
これを読んでいるみなさんも同じかもしれないが、Mリーグが始まって私の生活はガラリと変わった。週に1度の観戦記に留まらず、9割以上の対局を見て、疑問に思ったことは選手に直接質問したり、Twitterや観戦記に取り上げたりもした。
完全にMリーグ中心の生活だった。
そんなMリーグのシーズン最終日にあたる昨日(3/31)のレポートをお届けする。
最終日の対局は、これまでの熱い戦いが一点に収縮するかのように、厳かに、そして淡々と進んでいった。
1つの要因として、ポイントが離れてしまったことが挙げられる。
ドリブンズがほぼ優勝を決め、焦点はABEMASと格闘倶楽部の3位争いになる。
あれほど盛り上がったレギュラーシーズンと比較すると、どうしても寂しく感じてしまう。
レギュラーシーズンからファイナルまで2週間空いたこと、ファイナルも間隔が長かったこと、ポイント差が開いてしまったこと…ファンの心に根付いた「麻雀熱の種火」が消えてしまわないかと心配である。
日程に関しては初年度ということで、選手の予定などもあり調整が難しかったのだろう。
来季からは、熱狂が渦巻くままファイナルに突入していくような、テンポの良い日程を期待したい。
そしてファイナルのレギュレーションにも一考の余地がある。
野球やサッカーにも消化試合というのは付き物なので仕方ないのかもしれないが、やはりファンとしては最後の1戦までひりつくような戦いを見たい。
そこで1つの案だが、ファイナルシーズンは例えば
「8回トップをとったチームが優勝」
としてみてはいかがだろうか。
2着を0.5勝としてもいいし、レギュラーシーズンの成績に応じてアドバンテージを与えてもいい。
このシステムならば最後までどのチームにも優勝のチャンスが残る。
王手(7勝)となったチームにトップをとられないように、他のチームは戦略的な差し込みやアシストで包囲網を敷くことになるだろう。4チームの思惑が交錯し、いつ終わるかわからない戦いにファンは必ず熱くなるはずだ。
さて、レポートに戻ろう。
22回戦は
高宮まりが大きなトップを取って抜け出し、
23回戦は
白鳥翔がもっと大きなトップをとって格闘倶楽部をまくった。
レギュラーシーズンで成績の振るわなかった2人が気持ちの良い大トップ。
これまでのモヤモヤが晴れる…ほどではないかもしれないが、とても嬉しい最終戦だったはずだ。来季に向けての印象も変わってくるだろう。
さて24回戦である。
報われなかった選手同士がトップを取り合い、3位争いはいよいよ混沌としてきたわけだ。
3位のABEMASと4位の格闘倶楽部まで29.4ptの差。
格闘倶楽部としてはトップを取れば無条件、または1着順で9500点差か2着順つければ3位になることができる。
期待を背負って登場したのは
エース、佐々木寿人だ。
チームメイトの2人も祈るように見守る。
東3局が非常に見応えがあった。
寿人のこの選択に私はとても考えさせられたのだ。
8巡目。
を重ねたところで何を切る?
カンチャンの選択だ。
はドラだが、を切ればタンヤオになる。
タンヤオとドラ、同じ1ハンなら仕掛けの効くタンヤオにするのが普通だ。
しかし寿人はさほど考えることなく