熱論!Mリーグ【Tue】
守りきれるか親ハネ貯金…
屈強な猛者たちに囲まれ
岡田紗佳が見たものは⁉︎
文・ZERO【火曜担当ライター】2019年10月22日
「6000オール」
開局、岡田の一撃は鮮烈だった。
鋭かったのは2巡目の選択だ。
岡田はここからを切ったのだ。
ドラのが対子だが、ももオタ風なので仕掛けていくことはできない。
ということで、岡田も配牌ではホンイツの構想があったはずだ。
しかしをツモってリャンメンターツができたところで、ホンイツはほぼ見切り、門前リーチをメインに据え、かが重なったときは仕掛けていく…という手組に変えたのだ。
とてもバランスの良い選択だと思う。
私だったらホンイツルートにこだわってしまいを切ってしまうかもしれない。
私同様にを切ってしまう打ち手は…
このツモを捉えられず、が悲しく河に並んでいたことだろう。
ここまで手が進んで、1枚切れているをごく自然にトイツ落としていく。
(ペイペイ)…キャッシュレスの時代の訪れを感じる。
テンパイしてリーチ。
一発でをツモって6000オール。
一見すると、誰にでもアガれる手なりの一局に見えるが、2巡目のツモで構想を変えていないとアガリすら苦しかったと思う。勉強になる素晴らしい選択だった。
そして、このアガリをみた解説の瀬戸熊は言った。
「大事なのは緩めないこと。守りたい気持ちはわかるけど、ここから二の矢が必要」
Mリーグで散々辛酸を舐め続けてきた瀬戸熊の言葉だけに重い。
瀬戸熊自身も10/8の対局で、東2局に6000オールをツモったのにも関わらず、ラスを引いている。
全員がトップを狙ってくる赤入り麻雀において、開局の6000オールだけではトップを獲ることは難しい。私もそう感じていた。
さて、岡田はどうするか。
東2局。
上家・勝又のツモ切りリーチを受けてテンパイした場面。
岡田はほんの少しだけ迷ったあとに…
現物のを抜いた。
勝又のリーチは打点が不明だが、ドラのを切ってからのリーチであり、ある程度手が整っていると推測できること。あと出ていく牌がでということと、やはりトップ目で無理をしなくても…という思いがあって切りを選択したのだろう。
ただ私は、さきほど瀬戸熊の言うところの
「2の矢」を狙ってもよいのでは?と感じた。
直前に近藤がをポンしており、は勝又のリーチに比較的通しやすい牌。も悪くない。
この局の行方は…
勝又も同じ待ちでツモアガリ。
結果は追っかけリーチを打っても一緒だったと思うが、岡田の守備寄りの意識を強く感じた。
たしかに岡田は自身を「守備型」と分析していた。
東4局でも
8巡目にツモってきたドラのを切りきれずに打。
さらに10巡目、この1シャンテンになってもを切らずに打とした。
下家の前原の捨て牌が変則的でチートイドラドラなんて言われてもおかしくない。そしてやはり点棒的リードがあるので、無理はしない方向に意識が向いたのだと思う。
しかし、これくらいの手…なんなら8巡目の時点でを切ってしまったほうがよいだろう。