これが馬場という男が持つ引力なのだろうか。ここぞという場面ではいつも高打点を引きよせる。
次巡に二枚切れの
を引いてテンパイ！！リーチだ！！
出アガリでも倍満確定の、まさに馬場のこの半荘を勝負づける局となった。
勝利の女神がほほ笑んだのは……
なんと浅井のツモ！！実は静かにテンパイを入れていたのだ！！
これで浅井の通過はほぼ確実になった。一方、紺野と近藤の差はわずか１９００点。馬場も２着の近藤まで倍満ツモとまだまだ可能性は残っている。
【南４局】
アガれば通過の近藤の配牌がこちら。
両面が３つあり、決して悪くはなさそうだが……
紺野の配牌がこちら。既に二面子が完成している。これは速度が違うか。
しかしここから紺野の手がなかなかテンパイしない。
その間に馬場も着実に倍満に向けて、得意の染め手を進めていく。
近藤はテンパイ・ノーテンでも捲られてしまう。三段目に入ったところで形式テンパイを取った。
紺野も最終手番でなんとかテンパイを入れる。直撃なら捲るが……
紺野の願いもむなしく流局。
Ｂ卓からは浅井・近藤両名が決勝進出となった。
高打点を狙った手作りが冴えるも、最後までアガリに恵まれなかった馬場。重厚な麻雀を打ちながらも浅井・近藤の高打点ツモに涙をのんだ紺野。奇しくも因縁の国士無双を放銃した二人が敗退という形になったが、その麻雀のスタイルは十分伝わっただろう。
この半荘は浅井・近藤両名とも手数の多さが目立った印象だ。
Ａ卓勝ち上がりの前原、たろうと合わせて決勝はさぞや手数の多い対局になるだろう。
一体今年の”最強”は誰になるのか、決まるのはだいぶ先だが、今から目が離せない！
（筆者も全日本プロ代表決定戦出場の予選に参加します！！）
日本プロ麻雀連盟所属・35期後期生。麻雀と着物と民俗学が大好きなプロ雀士。
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