遅れてきた男・新井啓文 意地と個性のぶつかり合いを制し、ファイナルの舞台へ 麻雀最強戦2020「プロ雀士ランキングベスト16大会」観戦記【決勝卓】

マンズ、ピンズの中張牌をバラバラと切り出しており、他家からはホンイツチンイツに真っすぐ向かっているようにが見えるだろう。

 

8巡目、イーシャンテンのダンプは、ソーズの染め手がいる場でソーズ2枚を押す決断。

を打ってのシャンポン待ちリーチへと踏み切ると、浮いていたを勝負した矢島から5200は5500を出アガった。

東3局

新井はこの局もソーズのホンイツが見える形で、2巡目にはトイツのに手をかける。

しかし次巡、とくっつくツモで少考。

を離し、受けのターツを残した。

一色手にはこだわらずに優秀なターツを採用する、という柔軟な判断だ。

9巡目、古橋が待ちのチートイツをテンパイ。

単騎はいい単騎、なぜならマンズが場に安い、だが2枚切れ」(by実況:日吉辰哉

11巡目、古橋の待ちがそんな言葉のリズムを打ち消すピンフイーペーコー待ちに変わったところでリーチ!

 

 

そこに対して新井も無スジを一発で押し、少し前にをポンしていた矢島もをポンして前に出る。

またもバチバチの殴り合いだ!

そして終盤、新井が追いついて待ちでリーチ!

この待ちを古橋が一発でつかんでしまい、新井が価値ある12000のアガリでまずは一歩抜け出した。

3巡目の残しが生んだ、見事なアガリだ。

手痛い失点を喫した古橋だが、ここから逆襲が始まる。

次局は待ちリーチで矢島から3200は3500を出アガリして少し点棒を回復。

迎えた親番・東4局ではダンプの待ちリーチ、矢島のフリテン待ちリーチを受けながら、14巡目にテンパイ。

ピンフがつく待ちか、待ち牌の種類が多い待ちかの選択となる。

卓上を、胸のウサギと一緒にじっと見つめる古橋。

出した結論は待ちリーチ。

が3枚見え、が自身の目から全て見えているということで、少なくとも1枚は山にいる、という読みか。

あるいは、リーチ者2人に対してよりもの方が切りやすい、という判断もあったかもしれない。

結果は・・・

なんと古橋がラスを一発ツモ!

4000オールを引き、ラス目から一気にトップ目に立った。

古橋は次局も4000は4100オールをツモ、さらにリードを広げる。

ここまでの矢島は、強気な選択が裏目となり、失点が続いていた。

しかしそこに迷いやおびえは見られない。

矢島自身が、勝利への道筋をしっかりと見据えた上で勝負をかけているということだろう。

その選択が驚きのアガリを生み出したのが、南1局だった。

4巡目にをポン。

ここでダンプの親を落としておけば、ダンプは残りの局で軽い手が許されなくなる。

まずはこの親を蹴って自らの親番勝負、ということか・・・。

!?

矢島はなんと、出来メンツからを打ったのだ!

矢島は選手紹介PV内で「ホンイツトイトイをプロの中で3指に入るくらいアガっている」と語っており、予選C卓ではその通り見事なホンイツを決めている。

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