この熱狂は外へ届いたか⁉︎ 牌の気まぐれに歓喜し、翻弄されたMリーガーたちの2年目のエピローグ【熱論!Mリーグ/FS最終日】担当記者:ZERO

その声は震えていた。

タンヤオのテンパイ。

待ちは苦しいが、供託と積み棒により、それなりの加点が期待できる。

そこへ…

チートイドラドラのテンパイを入れたのが小林!

しかしドラ待ちになる。ここはリーチか?ダマか?

場を一瞥した小林は…

静かに牌を縦に置いた。

これは何気に胆力のいる選択だ。

全員を押さえつけ(特に仕掛けている魚谷)そして決定打を目指してリーチを打つ人も多いと思う。

私もリーチを打ちそうだ。

しかし、いくら押さえつけてツモ抽選を増やすと言っても、ダマよりリーチがアガりやすくなることはない。

ここまで静かだった沢崎も、最後の親だから切るかもしれないし、多井や仕掛けている魚谷もテンパイなら切るのが自然だろう。

小林のもくろみ通り…

魚谷がドラをツモ切り、最高のアガリとなった。

物語は、いよいよ最終章へと向かう。

思い返せば、今季もいろんなことがあった。

昨年2位の面影はどこへやら、終始苦しむチームの姿があった。

前回の王者は、大失速と波乱の展開となったが、最後の最後までくらいつき、レギュラーシーズンを大いに盛り上げた。

公私ともに話題の黒沢咲は、その麻雀でファンを魅了し、雷電のカッコいい麻雀の原動力になった。

昨年とうって変わり、攻め続けた女がいた。

どのチームも、ファイナルを目指していた。

どのチームも勝ちたかったはずだ。

どういう思いでこの半荘を見つめていただろうか。

ただただ興奮する傍らで、あそこで打ちたかったという思いが全くなかったと言ったら嘘になるだろう。

南2局、多井の最後の親が落ちた。

役満でもアガらない限り、実質上の終戦である。

唇を噛みしめるスーパースター。

どれだけの実力者でも、どれだけ条件戦が強くても、麻雀牌のほんの少しの並びによって、儚く破れ去ってしまう。

麻雀の無情さを感じさせるABEMASの最後だった。

ラス前の魚谷の親も落ち、Mリーグという物語はいよいよ大団円を迎える。

南4局

ハネツモ条件で迎えた魚谷は息をのんでいた。

第1ツモで役牌が暗刻になり、逆転の予感を帯びてくる。

このハネツモ条件は、レギュラーシーズンの90試合、セミファイナルの16試合、そしてファイナルの12試合の合計118試合の戦いを経て掴んだ優勝条件だ!

初トップは、みんなが祝ってくれた。

役満をツモったこともあった。

本当にいろんなことがあった。

茅森が近くで微笑み、和久津が盛り上げてくれ、そして近藤が見守ってくれた。

麻雀だけではなく、ずっと3人に支えられ続けたのだ。

そんな4人で掴んだ、ハネツモ条件。

ここだけは絶対に間違えられない。

打点の元である役牌が重なった!

プレッシャーに押しつぶされそうになる魚谷。

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