けれども河野の待ちが両面待ちとは限らぬのに加え、仮に両面待ちであったとしてもまだ約半数程の無筋が通っていない=待ちの可能性として残っていること、さらには自身の手牌からの絶対的に安全なベタオリが困難であると思われる点を総合的に考慮し、私はを押した。
にロンの声はかからなかったが、決着はあっという間だった。
三浦が高めの345の三色となるを一発で手元に引き寄せ3000,6000は3100,6100。
このあがりが決勝戦のウイニングショットとなった。
対局直後の私はこの局のチーテンをとらぬべきであったのかと悔やみもしたが、私の推薦者・小林剛からは「とはチー」、さらにはなんと鈴木大介現最強位からも「鉄チー」とのお言葉を頂き、気持ちの上では少しだけ救われている。今冷静になって対局を振りかえるとやはりチーし、は押した方が得なのではないかと考えている。
私の最強戦2020は終わった。
今回の対局で私の憧れであり、誰より尊敬してやまない小林に推薦して頂いたことは私の誇りであり、きっと生涯忘れることはないだろう。
あらためて、貴重な経験をさせていただいたこと、そして日々出来の悪い後輩を指導してくださっていることにこの場を借りてお礼を伝えたい。剛さん、本当にありがとうございます。
一方で、その小林に推薦して頂いておきながら対局中の所作等でみっともない姿を見せたこと、対局に勝って恩返しをできなかった無念もまた私は涯忘れることはないだろう。
最後に番組を視聴してくださった全国の麻雀ファンの皆様やこの敗戦記を読んでくださった読者の皆様、本放送を企画してくださった麻雀最強戦実行委員会に感謝するとともに、今回の対局も糧として今後も精進を重ね、いつの日か必ずこの大舞台に戻り雪辱を果たすことをここに誓い、この敗戦記の結びとする。