セガサミーフェニックス茅森早香　飄々と役牌を見送る表情の奥に秘められた想い【Mリーグ2020観戦記10／8】担当記者：ゆうせー

に引き続き、をもポン。

積極的にホンイツへ向かう「カラーアプローチ」の魔法だ。

ちなみにこの名称を使っているのは私だけのようなので、ドヤ顔でMリーグ仲間に

「園田さんのカラーアプローチすげぇよな！！？？」

などと言うと、「意味不明なんですけど…」という顔をされるので注意が必要である。

これを受けた滝沢、

この手格好からをつかむ。

滝沢の選択は、

打！園田が比較的遠めの仕掛けもしてくることも考慮し「テンパイはまだだ」と読んで先に危険なマンズの数牌を処理。スリムに構えることで、のちの押し返しを図った積極的な先打ちだ。

「今シーズン3位以内に入らなければ、メンバーの入れ替えを行う」という発表があったEX風林火山。ずっと応援してくれているファンのためにも、なんとしても今年は勝たなければならない。

滝沢の胸の内には、並々ならぬ決意があるだろう。

この切りが功を奏し、

前原のリーチをもかいくぐって、滝沢はツモタンヤオ赤赤、2000-4000のアガリ。ツモりあげたのは既に場に2枚切れている。

赤く燃える心が、そっと置いたの先に乗り移ったかに見えた。

東4局

茅森の6巡目の手牌に注目したい。

直前のをスルーしている。を鳴くとリャンメンが2つ残った2000点のイーシャンテンになる。我々が普段打つ機会のある、不特定多数の方が相手のリアル麻雀やネット麻雀では鳴いた方がいいと感じる。

しかし、この手はポンをしなくとも門前でアガれるルートがいくつか存在する。4つトイツがあるのでチートイツを狙える。またやを引いた場合には、を落としていってピンフやイーペーコーのイーシャンテンにもなる。

さらには、結局鳴くことにはなるが、2枚目に出たを鳴いてもいい。

別の視点では、上家である親の園田がドラを切っているのも判断材料に入るだろう。を鳴いて手を短くしたあとで親リーチをうけたら目も当てられない。

もちろん、親が早いからなおのこと自分の速度を上げるべきだという意見も分かる。しかし、ここは茅森、役牌ポンをギリギリまで我慢することで自身の守備駒をキープし、門前での複数ルートを選んでいく方針で手を進めていった。

このように、「自分がこの手牌をもらったならどうするだろう？自分がMリーグで打っているなら？そして普段打っているルールなら？？」「Mリーガーはなぜその牌を切ったのだろう？？？」とあれこれ想像するのもMリーグの楽しみの一つだ。

やや脱線するのをご容赦願いたいが、今年から、

このように、試合後に選手インタビューをした様子が、アベマTVの動画で見ることが出来るようになったようだ。選手の打牌意図を聞く機会が増えたのは、とても嬉しい。関係者の方々に感謝したい。

話を戻して、この局の茅森の手は、

門前で、と引き入れてリーチ敢行！

そして一発ツモ！！リーチ一発ツモ赤、2000-4000のアガリだ。

幸運であるのは間違いないが、このルートをたどらないと同じ幸運にはめぐり逢えない。

このように、東場は茅森と滝沢が交互にアガり、両選手の点棒状況がよくなった状態で南場をむかえる。

南1局

親番の茅森、6巡目、

イーシャンテンに構えていたところ、を引き入れる。

茅森が切ったのは、

リャンシャンテンに戻すだ！は打点のタネ。ピンズとマンズの素晴らしい形を活かしつつ、高打点と好形を追った一打だ。

次巡、

狙い通りに引き！現状はと受けという、三面張が2つ残った超のつく好形イーシャンテンだ。

しかし、

「リーチ」

前原からリーチがかかる。

絶妙なタイミングでの他家からの攻撃。

茅森は、

凛とした表情で受けて立った。

まずはを引き込んで、スジのを河に放つ。

そして、と切り飛ばして、

を引いてリーチだ！待ちは。