麻雀最強戦実行委員長の金本です。
今日荒木栄二さんに取材で会いました。荒木さんは2013年の全日本プロ戦で鳴きに鳴いて形式テンパイ入れまくり、他の放送対局に慣れてないプロを脅しまくり、解説の瀬戸熊プロ森山プロを怒らせながら優勝し伝説になった男です。(動画はこちら)森山「いい麻雀とは思わなかったけど一番自信を持って打ったのが荒木さん」
瀬戸熊「ファイナルで当たるときに自分の信じた麻雀で戦いたい」
荒木「勝因は朝歯ブラシを変えたことですかね」
その後荒木さんは2015年の全日本プロでも決勝まで行き(200人以上参加している大会)伝説になりましたが、翌年電撃退会。一瞬の花火のようにイった男の現在の心境は12月売りの近代麻雀に譲るとしますが、間違いなく最強戦史上に記憶に残る男です。
思えば全日本プロは、結構ねっとりネバネバした、記憶に残る男が優勝しています。
2012年は鈴木優プロ。第18回、第19回とアマチュア時代からしつこく勝ち上がってきた男(今の山越さんくらい)がプロでも優勝。(繰り返すが200人以上のプロが参加している)ただもんじゃないと思わされ、最強戦の申し子という名前がぴったりだ。
2013年は先ほど書いた荒木さん。
2015年に荒木さんを倒した江崎文郎プロも、かなりのネバネバ系雀士だ。
この動画の裏ドラをめくるシーンなど悪役にぴったりだが、いつかまた勝ち上がってきたときは、荒木さんのように応援したくなるプロになっていることを祈る。
荒木さんと江崎プロの間の2014年誰だっけなーと思ったら、森下剛任プロだ。今や最強戦の常連だが森下プロもこの年ファイナルで決勝まで行き藤田さんに敗れるも2位。しゃべり方が司会の小山さんに「アンガールズの山根に似ている」といじられるほどネバネバしている。ツモり方もモウパイなのか気合なのかぐじゃっとしていた。最近ちょっとスムーズになり過ぎてる?
そして2016年は最強戦の歴史の中で永遠に残る優勝者、近藤千雄プロだ。(多井隆晴プロが一生悔やむ北切りでまくられた動画はこちら)今はあっさりした男に見えるが当時は長年勤めた会社を辞め、競技麻雀に打ち込んでその年優勝。あの涙をまた期待したい。
続いて2017年。ここで魚谷侑未プロとの激闘を制し優勝したのが日本一切れやすいプロ雀士、こと全然切れないし一番癖のない浅井裕介プロだ。
浅井プロは自身はシンプルに麻雀を打っているだけなのだが、この「日本一切れやすいプロ雀士」というキャッチフレーズや今年の森山プロを切れさせた事件(のちに森山プロ謝罪)などで勝手に人気になる、いわばネバネバというよりスター系雀士だ。もう一回大きな大会で優勝すればMリーグに行く可能性が十分ある。顔もいいし、持っているというのはこういう男を言うのだろう。そのときはぜひMリーグの解説に森山プロを呼んで欲しい。
2018年は岩﨑真プロ。この中で一番スマートな感じに見える。
翌年もプレミアトーナメントで優勝したがその年のファイナルのオーラスで堀、藤田の名勝負の脇でほぼアガリの無いところからの放銃が悔やまれる。がこれもまた本人が大いに悔やんでおり、やがてまた勝ってくるのだろう。
2019年はキンマwebで自身の汚れキャラを包み隠さず書き綴り人気が出た仲林圭プロ。
コラムの中でもおそらく奥さんに不倫された回が一番PVが多いはず(この第17回前後)で、あそこまで生生しく書くプロ雀士はしばらく出ないだろう。ぜひもう一度結婚しまた不倫されて面白いコラムを書いて欲しい。
とにかくこの全日本プロは、面白い人が多い。勝ち上がるとその後有名になったり、プロ辞めたり、変な人多し。
ABEMAでの放送(11月1日)の視聴数は、Mリーガードラフト一位対決や人気女流プロに比べて落ちるだろうが、このブログを読んでくれている(よくぞたどり着いてくれました)方くらいは、熱視線で観てやってほしいです。人気プロより麻雀は下手です。入場はもっと下手です、しゃべりもたどたどしいです。でも、人気プロにはない泥臭さ、そう花を咲かすどころかまだ土の中で芽を出せるかどうがもがいてる植物のような、そしてほとんどは出ないまま踏まれて消えてしまうのですが、それでも挫けない、なんとか麻雀プロとして一花咲かせてやろうじゃないかというねっとりネバネバした気持ちを持ったプロが参加します。
今のところ予選は300人くらいから60人くらいまでしぼられていて、最後の予選が10月24日(土)。そこでABEMAの放送対局に出る8人が決まります。この日も僕の個人スマホでYouTube最強戦チャンネルから流す予定ですので、登録だけしておいて午後くらいからチェックしていただけると嬉しいです。
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ちなみにアマチュア最強位決定戦(11月8日ABEMA放送)も同じくらいヤバいです。11月の最強戦は、ねっとりネバネバ秋の納豆収穫祭です。ぜひ最初から最後まで見てください。
1978年広島県生まれ。東京大学卒業後、竹書房に入社。近代麻雀戦術シリーズでさまざまな作品を世に出しつつ麻雀最強戦実行委員長をつとめる