勝利のチャンスはその一瞬、内川幸太郎に課された女神の試練。【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 11/10 第2試合】担当記者 渡邉浩史郎

勝利のチャンスはその一瞬、
内川幸太郎に課された
女神の試練。

文・渡邉浩史郎【月曜担当ライター】2025年11月10日

第2試合

東家:本田朋広TEAM RAIDEN / 雷電)
南家:内川幸太郎EX風林火山
西家:浅井堂岐セガサミーフェニックス
北家:岡田紗佳KADOKAWAサクラナイツ

この日、東場のシーソーゲームを崩す和了りが生まれたのは東4局

本田の赤切りリーチに粘り、終盤にドラ暗刻の聴牌を入れた内川。ここで切りだされた【9ソウ】が……

本田のリーチピンフ、そして裏裏のマンガンへの放銃となってしまう。

赤2枚・ドラが3枚見えている内川からすれば放銃時打点の安さも押す要因の一つであったであろう。
これが裏ドラの怖さ・リーチピンフを打ち続けることのメリットでもある。

南2局、迎えた内川の親番。決して手は悪くない。
南1局も軽く流れてくれたため、ここで2000オールでも和了れば一気に戦線復帰である。

少し潮目が変わったのは本田の選択から。
【發】が二枚ある手、本田なら仕掛けて前に出ていくこともあるかと思われたが……

パタパタとすぐに打たれた【發】を、本田は仕掛けていかなかった。

この局和了れないということは、大体の場合において誰かに和了されてトップ目を捲られた状態での南3局を迎えるということである。
手牌的には和了りが見られるか結構ギリギリのところ。一応アタマ候補の【9ピン】が親の現物になったため、本田ならそのギリギリの和了りを取りに行くかと思われただけにこの判断は意外だった。

代わりに迫りくるのは今日連闘となった岡田。
自身初トップをその手に持ち帰るべく、目一杯に構える。


時間的猶予がない内川に、第一の女神からの試練がやってきた。
【3ピン】【4ソウ】【3マン】のくっつきである。
【3マン】はドラ受け、【4ソウ】イーペーコーの受けがそれぞれある。一方【3ピン】【1ピン】が三枚切られていて、【2ピン】【4ピン】もそれぞれ一枚ずつ切られている。
当然の【3ピン】切りかと思われたが……

内川の選択は、まさかのイーペーコーを消す【4ソウ】切り!

河を見ると三人がピンズの下を早い段階で切りだしている。見た目枚数こそ少ないが、残りのピンズ下はおおよそ山に生き残っていると判断した可能性が高い。

女神の試練第一・クリア──

先に聴牌からリーチに踏み切ったのは岡田。【7ピン】を引き入れたことで手牌は高め三色まで育っていた。
この高め【7ソウ】がなんと山に3枚! 決まれば今季初トップへの大きな足掛かりになる!

対する内川が引いたのは……

ピンズはピンズでもこれじゃない、二枚切れのカン【4ピン】聴牌となる【5ピン】
しかしこの時内川の手によどみはなかった。

悩むことなく、この待ちを待っていたかのように、紡がれたリーチ発声。

女神の試練第2・第3、共にクリア──

その先に待っていたのは……

余りに鮮烈な一発ツモ──

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