1秒たりとも目が離せない!四者四様の思考がぶつかりあった壮絶な一局の結末は⁉︎【Mリーグ2020観戦記11/19】担当記者:ゆうせー

そう、親の白鳥に12000は12300の打ち上げとなる牌だ。

園田は白鳥の最終手出しを見て、リャンカンからの切り出しも十分にあると読んだに違いない。園田はこういうときに、「現物はしかないから…」と、決して甘えたりしない。自身の読みと一蓮托生。そんな園田の姿は見る者の心を打つ。

放銃を回避した園田。次にツモ番がまわってくるのは茅森。

茅森は、ドのつく無筋のを持ってきてしまう。

茅森が切ったのは、

だ!押した!!リーチ棒がさらに出てアガリの価値がさらに上がったこの局面。ここが勝負所と茅森は踏み込んでいった。

次は白鳥のツモ番だ。

。これも瀬戸熊にはキツい牌だ。

切った!リーチの現物待ちである、親の満貫をそう簡単にオリるわけにはいかない。

瀬戸熊がツモるも決着はつかない。

次の園田は、

さらにを引き入れて打をいつ放銃してもおかしくない手格好だ。

茅森はをツモ切り。そして次のツモ番白鳥が、

を持ってきた!

勝負だ!

「ポン」

ボルテージが最高潮に達する解説席とお茶の間。その賑やかさとは180度違う、実に落ち着いた声で茅森はをポン。

ソフトな打牌、なめらかなフォームで無筋のを河に置いた。

この時点で茅森の待ちは5枚。瀬戸熊のアガリ牌は実に7枚。

子方二人のリャンメン待ちが合計12枚眠っている山に、手を伸ばした白鳥。

持ってきたのは。シャンポンテンパイに組み替えるも、なんとこれが0山。麻雀ハイブリッド白鳥翔、絶体絶命のピンチ。

一周まわってまだアガリは出ない。そして再び白鳥のツモ番。

がやってきた。これは茅森には現物だ。

ここで白鳥はじっくりと時間をとって考えた。

出した結論は、

が4枚見えているのでノーチャンスを利用してまわった格好だ!

瀬戸熊に通っていないスジは、

の4本。そのうち2本にまたがるは危険すぎる。ダブを切ってきて、さらにダブを鳴かれてもリーチを打ってきた、瀬戸熊の手牌の評価が高いこともあるだろう。

また、茅森がゼンツしてきていることから横移動決着が望めるというのも、オリに傾く要素だ。

白鳥の手は打点があるとはいえ、待ちが悪い。歯を食いしばって白鳥はオリを選択したのだった。

次の瀬戸熊のツモ山に、12枚のなかの1枚がいた。

!茅森のアガリだ!

ドラ、3900は4200のアガリとなった。

この勝負局を制した茅森がオーラスにもアガリをもぎ取って1位に。今局、読みの力で点棒を守った園田が惜しい2着。白鳥は3着に踏みとどまり、瀬戸熊はなかなか浮上できずに4着でこの半荘を終えた。

 

麻雀は本当に個性の出る競技だ。今日取り上げたような、Mリーガー30名の持ち味が思い切りぶつかり合う熱い麻雀がこれからもたくさん見られることを期待して、この記事を締めくくりたい。

 

 

 

 

 

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