トップ目・滝沢和典の選択やいかに 後半戦のMリーグは特に南場に注目だ【Mリーグ2020観戦記12/21】担当記者:東川亮

しかし2900のテンパイでこのはさすがに打てず、オリにまわる。

その後、堀がチーしてテンパイを入れるも、先にテンパイしていた瑞原がツモって2000-4000。

役満とはいかなかったが十分の打点で、点数の回復に成功した。

3人が満貫をツモった中で、唯一アガっていない園田の点数は大きく減ってしまっている。

故に、南1局の親番は何としても大きく加点をしたいところ。

瑞原から2000、堀から5800は6100をアガって親番をつなぐと、南1局2本場、ついに勝負手が入る。

リーチタンヤオ平和赤、高目一盃口ツモで6000オールも見える手だ。

これが決まれば、一撃で全員を逆転できる。

そこに堀がチー。

めざとく一発を消しつつ、タンヤオに向かう。

ただ自身のアガリを見るとなると、浮いているは園田のロン牌である。

しかし、堀は園田が切ったをチーしてのテンパイは取らなかった。

シャンポン待ちでは勝負にならないという判断か、あるいはの危険度を感じていたか。

アガリは唐突な形で生まれた。

滝沢がツモで400-700は600-900。

この局、滝沢は6巡目にカン待ちのテンパイを入れていた。

そこで不用意にリーチとは行かず、リーチを受けても現物を打ちながら丁寧に打ち回し、テンパイを入れ直してアガリをものにしたのだ。

打点こそ安いが、園田の勝負手を蹴れたのは大きい。

南2局は堀が再び4000オールのツモで、滝沢に肉薄する。

ツモられた瞬間、瑞原はこの表情。

直前にチーしてテンパイを入れていたのだが、それによってアガリ牌が流れたことに思うところがあったか。

トップが欲しい堀は、まだまだ手を緩めるつもりはない。

次局も先制の待ちリーチでさらなる加点を図る。

ドラ3赤の手牌は試合を決定づける一撃となり得るだろう。

そこへ割って入ったのは瑞原。

じっくり育てていたジュンチャン三色が堀のリーチを受けた直後にテンパイする。

意を決し、無スジのをスッと打ち出す。

強くなりすぎないよう意識したのか打牌のトーンは柔らかいが、切られた牌は親リーチの一発目に打つにはあまりに強い。

はリーチの堀の現物だが、これを見ては他2人はさすがに警戒せざるを得ない。

 

勝ったのは瑞原。

強烈な8000は8300で、再びトップが見えるところまで浮上した。

面白い選択が見られたのが南3局1本場

堀はを鳴いて早々にイーシャンテンとなるが、目いっぱいにはせず、ドラのを引っ張る。

ドラを1枚、あわよくば2枚以上使ってアガり、オーラスを有利に戦いたいという思考だろう。

そして首尾良ドラ単騎テンパイ。

アガれれば、3900の加点は大きい。

ただ、滝沢がをポンしたことで状況が変わる。

滝沢は遠いところから仕掛けることが少ない打ち手であり、ドラを切ってポンとなれば、他から見ればかなりアガリは近そうに見える。

しかし実際はかなり遠いところからの仕掛けであり、字牌を多く溜め込んでいることから、オリを見つつまわりに圧をかける、という考えか。

堀としては、ドラは滝沢の現物ではあるものの、そう簡単に他から出る牌でもない。

そこへ引いた、アガりにくい待ちにこだわって滝沢にアガられては元も子もない。

巡目も深くなってきたことから、堀は待ちにチェンジ。

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