なんでもないようなことが
幸せだったと思う瑞原明奈は
赤い要塞とのデッドヒートを
制することができたのか
文・ZERO【火曜担当ライター】2021年1月5日
昨年は大変な1年になった。
コロナウイルスの1番の大罪は、世界を閉塞感が覆ったことだと思っている。
人は顔をマスクで隠し、なるべく交流を避け、他人を疑って生きるようになった。
夢や希望どころか、挨拶1つできない世の中になってしまった。
そんな世の中で唯一良かったことは、普通にすごすことのありがたみを再確認できたことである。普通に暮らし、普通に麻雀を打ち、普通にMリーグを見る。なんでもないようなことが幸せだったと思う。昔の人はいいことを言ったもんだ。
さて、年明け3日からMリーグは再開した。
観戦記者の私も慌ただしいが、選手を始めとする関係者はもっともっと大変だろう。
第1試合
東家 和久津晶(セガサミーフェニックス)
南家 瑞原明奈(U-NEXTパイレーツ)
大荒れの展開で幕を開けた。
東1局は勝又が
リーヅモタンヤオドラ6の4000・8000。
東2局には親の瑞原が
メンタンピンツモドラ1の4000オール。
続く1本場で
リーヅモイーペーコードラ5の8100オールを決めた。
東発で倍満をアガった勝又を、瑞原がたった2局でまくったのだ。
かき集めた点棒をしまう瑞原。合計で57300点になった。
瑞原もよく打つ天鳳(ネット麻雀)なら50000点を超えれば9割型トップだろう。
ラス回避がメインだからである。
しかしトップの大きいMリーグルールではまだまだわからない。
誰もが貪欲にトップを狙ってくる。
そのことは瑞原が1番痛感している。
11/26 東3局 32600点トップ目から24400点の3着に。
12/01 東3局 43000点トップ目から16700点の3着に。
12/08 東2局 30800点トップ目から29600点の2着に。
12/18 東3局 41800点トップ目から27300点の2着に。
と、今シーズンはトップ目に立ってからまくられ続けているのだ。
最後にトップを取ったのは11/13まで遡る。
いわゆる「大好き卓」だ。
「次にトップをとれるのはいつになるのか…」
そう思いながら航海をしていた時に、突然ふいてきた追い風。
しかし、今日もここからが長い旅になる。
東2局2本場
瑞原は続く親番で畳み掛ける。
リーチドラドラのカン待ち。
特にに手応えがあるわけではないが、打点十分。
これをアガることができれば今度こそトップの座を強固にすることができる。
瑞原の良いところは先手が取れたら難しく考えずシンプルに攻め切るところにある。
このリーチを受けた3人もそこそこの手だったのだが、親には攻めきれずに降ろすことができたのだ。