感覚派が流した幻の四暗刻 裏天王山を和久津晶はどう制したのか【Mリーグ2020観戦記1/26】担当記者:ZERO

これは瑞原の四暗刻テンパイとなる牌だ!
つまり和久津がをチーしたらこのが下家の瑞原に流れて、出アガリ倍満・ツモって役満の手牌が入っていたことになる。

さらに瀬戸熊のツモった牌に目を見開いた。

瑞原は四暗刻完成となる。
たらればの結果論になるが、和久津がチーと一言言っただけで、瑞原は四暗刻をアガっていた。

現状の54000点差は軽くひっくり返り、瑞原はこの夜Piratesの窮地を救ったシンデレラになっていただろう。

もちろん鳴かなかったことで四暗刻をツモられることもある。
それは決してコントロールできない事象である。デジタル派の私はそう思いたい。

しかし和久津は自らの意思でこの道を選んだことも1つの事実だ。

のトイツ落としから連続でアガリをものにし、甘えることなくガードに徹し、そしてチーテンをとらなかった。

「余計な動きをするとろくなことがないよ」

和久津から発せられた言葉が頭の中で浮遊する。

瑞原の渾身の手牌は実らず、流局してしまった。

南3局1本場 瑞原の意地

意気消沈している暇はない。
気を取り直して瑞原が手にした配牌は…

枯れ果てていた。
ドラなし・赤なし・役なし…のいいところなし。
和久津のスルーが枯らしたのか。
四暗刻をアガってもすでにこの配牌は積まれていたので関係ないよ」とPiratesのクルーたちは言うだろうか。

そんなPiratesにとっての正念場。
まずは3着を争うライバルの村上からリーチが入る。↓

のリーチ・ピンフ・ドラ1

そして役牌を仕掛けている和久津にもテンパイが入る。

待ち。
切ったは村上のリーチに通っていないが、村上に放銃する分は問題ない。

おそらくこのあとも全部勝負して、自分か村上がアガればいい、という判断になるだろう。

今にも決着が付きそうな終盤入り口。

親の瑞原の手牌がどうなっていたかというと…


愚形含みの2シャンテン…。
とてもじゃないが太刀打ちできない。
和久津が村上からアガってくれることを祈ってオリるのがベターか。

「チー」

その時、瑞原が静かに発声した。
静かながら、決意を秘めた鳴きだった。

形式テンパイへ向けての鳴き。

2人が明確にテンパイしている中、自身は遠い形式テンパイで発進せざるをえない。

(和久津さんはこのチーを「余計な動き」と言うかしら?でも私は、Piratesは、一つ一つ得だと思われる選択を取ることしかできないの)

さらにをチー。

火中の栗を拾うかのようなケーテン仕掛け。

ただし、次に打たれたはポンしなかった。

形式テンパイは、通常の手牌と違って、最後の最後にテンパイしていればいい。
早めにテンパイを入れる必要はない。

また瑞原にだけは放銃したくない和久津の牽制力を維持する意味でもスルーは正しい判断だと思う。

こうして瑞原の執念が

Piratesの祈りが

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