感覚派が流した幻の四暗刻 裏天王山を和久津晶はどう制したのか【Mリーグ2020観戦記1/26】担当記者:ZERO

を一発でツモってのなんとも豪華な3000・6000!

アマゾネスらしい切りからの光芒一閃!

あっという間にまくられてしまった瀬戸熊は、どのような思いでこの手牌を見つめていたのだろうか。

さらに和久津は持ってきた親で

またしても一発ツモ!

ダメ押しとなる6000オールで勝負の趨勢を決めた。

しかし、私は派手な3連続のアガリより、その後の打ち回しが印象に残った。

南1局 鉄壁ガード

まずは親の村上が役牌とオタ風をポンしてこの形。

ここからテンパイを取らずに打とした。
1500の手牌を5800に、赤やトイトイなどを絡めて12000まで目論む。

巡目が早いこととラス目であることも判断要素に入っているだろう。

この仕掛けを受けた上家の和久津。

和久津も早々に役牌をポンしているのだが、上家のをスルーしている!
マンズの並びシャンポン待ちでは勝負にならないという判断か。

さらに…

自力でを持ってきた。を切ればテンパイだ。
下家の村上はをトイツ落とししており、明らかにマンズのホンイツ模様だが、まだ字牌もマンズも余っていないためテンパイしている可能性はそう高くない。

しかし和久津は身をよじるように

をツモ切った。
1枚たりとも漏らさない構え!

ロンじゃなくても、チーと言われるだけで村上のアガリ率は大幅にアップし痛い。
そしてこの待ちでは勝負にならない。

その後も何度もテンパイし返したが、甘えることなくマンズを絞りきり、流局にもつれこませた。

和久津の徹底が親の村上を封じ込めたのだ。

瀬戸熊をパスし、村上を封じ込め、最後の山場は瑞原の親だった。

南3局 幻の役満

親・瑞原に空前絶後の手牌が入った。

ドラ3のタンヤオトイトイイーシャンテン。

ここまで苦しい展開だった瑞原にとって、絶対アガリたい手牌。
(テンパイして…!)
高鳴る鼓動を相手に悟られないように気を払いながらも、1つ1つ祈りを込めてツモる。

Piratesとして、ここでのラスはいよいよ危険信号が灯ってしまうからだ。

見ているファンも興奮を抑えて見守る。
ジリジリと巡目だけが経過していく。

どうだ…?引けるか?

引けない!このをツモ切ると…

下家の和久津はノータイムでツモ山に手を伸ばした。

あれ、をスルーしている!
この親を落としたい筈なのに、和久津は一切慌てない。

一旦テンパイ取っておいても良いと思うのだが…。

和久津は感覚の打ち手だ。
以前、別の機会で
「余計な動きをするとろくなことがない」
というようなことを言っていたのを思い出す。

一見すると単なるオカルトかもしれない。しかし和久津はその感覚を大切にしてきて、これまでのプロ生活で勝ち続けてきたのだ。

次の瞬間、それは本当に単なるオカルトなのだろうか?とデジタル派の私の胸に疑念が湧いた。

和久津がをスルーした同巡、瀬戸熊がツモったのは

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