VS国士無双! 徹底検証!
朝倉康心はなぜ1索を押して
当たり牌の
9萬を止めたのか?!
文・ゆうせー【木曜担当ライター】2021年1月14日
第一試合
東家 朝倉康心(U-NEXT Pirates)
西家 前原雄大(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
役満、国士無双のテンパイが入ったのは南3局1本場。
捨て牌が二段目に差し掛かった頃だった。
その手の主は村上。
実況席も、モニターの前の我々も、胸の鼓動を抑え切れない。
そして、
押し、そして、
次に引いた当たり牌のを、
じっくりと考えをめぐらせたのちに、
とめた。
この記事では、上記二つを中心とした、この局の朝倉の一連の判断について検証してみたい。
まず最初に取り上げたいシーンは、
ここだ。村上が手からを打ち出した局面。
立体図で見てみよう。(明るい牌は手出し、影のついた牌はツモ切りです。)
さて、村上はどんな手だと読めるだろうか?
村上は3巡目にを手から切って、5巡目にを再び手の内から切り出している。
間にを挟んではいるものの、
「含みのトイツ落としをしている」
のである。
これで、変則手のなかでも、チートイツやトイトイ、四暗刻が否定されることになる。
そして、三色をまんべんなく使った真ん中寄りのメンツ手も、赤をわざわざ並べてきていることから考えにくい。第一打のもまた、ピンフやタンヤオ系の手を否定する材料にもなる。
ということは、村上の手は純チャンでなければ国士無双が濃厚だと考えられる。
さらにもう一歩踏み込んで考えよう。
村上が国士無双だと仮定すると、ダメ元ではなく相当アガリが見込める手格好だと読める。
いったいどこから分かるのだろうか?
それは、第二打のである。このは
「国士無双をボカしにいっている牌」
と考えられるからだ。
お出かけ気分で遠い役満を目指すときには、中張牌からバンバン切っていくことが多い。みなさんも経験から、分かっていただけるのではないだろうか。無理染めをするときに近い感覚だ。
だが、この局の村上はそうではない。アガりたいからこそ迷彩をかけにきている。本気度が違うのだ。
あくまでも読みの範疇の話になるのだが、第二打のに続いてのトイツ落としで、他三者は村上の国士を「本物だ」と感じたのではないだろうか。