鉄壁の日向からこぼれた運命の「南」 石橋伸洋が示す、逆転優勝までの航路【Mリーグ2020観戦記2/16】担当記者:ZERO

もともと日向は勝ち気な性格で、攻撃的なファイターだったと聞く。

その日向が、百戦錬磨の魑魅魍魎たちの跋扈するMリーグでどう生き残るかと考えた時に、守備に徹して、チャンスは真っ直ぐ伸ばしていこう…と考えたのかもしれない。

を切った後も日向の手は伸び、こんなイーシャンテンになっていた。

よく見ると、上家のをスルーしている。

この手はまだチーテンの2000点で局消化するよりも、真っすぐ伸ばして高打点で仕上げたいのだろう。

「リチ!」

4巡目に残したを切ってのリーチ。

スリムに構え、一撃を狙い、先手が取れたら牌を横に曲げる。

これが日向の戦闘スタイルなのだ。

が、この局は流局。
手は入るものの、なかなかアガリに結びつかず、もどかしい展開だ。

 

東4局 先逃しからの初アガリ

親番を迎えた日向の手が止まった。

ここから何を切るか。↓

2者に仕掛けが入っている。

日向はドラ表示牌のを切った。

手牌の中で一番危険な牌である。

ここでも

「危険牌先逃し」

相手がノーテンのうちに危険牌を先に逃したのだ。

こうして日向はテンパイにたどり着く。

さぁリーチが炸裂するか?と思いきや、日向はダマを選択。

もうこれは「先手」ではない。

そしては3フーロしている沢崎の現物で、茅森にも通りそう。

リーチとダマでアガリ率が大きく変わる、そう判断したのだろう。

思惑通り茅森からが出て1500は1800のアガリ。

 

南2局 引いた日向と押し切った沢崎の対比

2局挟んで南2局、親の日向は茅森からリーチを受けていた。

 

一発でツモってきたは、のワンチャンス。
これくらいは押しても良さそうだ。

しかし…

日向は現物のを選択。

守って生き延びる。
それが私の戦略。

日向の意思が伝わってくる一打だった。

一方で「戦って勝ち切る」を信条としている打ち手が茅森のリーチに無筋を切りとばした。

トップ目の沢崎だ。

1000点のテンパイでをプッシュ。

日向とは対象的である。

沢崎はすぐにねっとりとした手付きでアガリ牌を手繰り寄せる。

タンヤオのみの300500。

数字は安くとも、親リーをかわしての局消化。

あまりにも大きなアガリである。

こうして沢崎・日向・茅森、少し離れて石橋、の並びでラス前を迎えた。

 

南3局 茅森の後悔

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