覚悟の形テン拒否! 女海賊・瑞原明奈がチームに持ち帰った“ひとつなぎのトップ”【Mリーグ2020観戦記2/26】担当記者:渡邊浩史郎

我慢の展開が続く瑞原に好配牌が入る。

三面子のイーシャンテン!打点を見るならを切ってタンヤオを見据える手もあったが、ここは打とする。

次巡引いたでシャンテン戻し。伸びれば対子手の最高峰、四暗刻まであるかと思われた矢先。

寿人からリーチが入る。三巡目にしてかなり濃い河からのリーチだ。

両面固定にしか当たらなさそうなだがここで一旦回る。

を槓子にし、を重ねて安牌がなくなりプッシュ。

を引いて……

で降り。ノーチャンスでが早いワンチャンス。の見え方次第によっては槓子落としで放銃もあり得るかと思われたが。

四暗刻のイーシャンテンに!

ここでカン!嶺上から引いてきたのは……

通っていない

ここでベタ降りを選択。聴牌からならどんな無筋でも生牌ドラでも行く覚悟であったと思うが、イーシャンテンからではこの手に押す価値なしという冷静な判断だ。

この局も点棒が増えることなく、寿人の一人聴牌で流局となる。

【南3局】

黒沢が寿人からのマンガン出アガリで頭一つ抜けた状態で迎えた瑞原の親番。

配牌はお世辞にもいいとは言えない。しかし瑞原はまっすぐから打ち出していく。

他家の手牌もうまくまとまらず、鳴きもリーチも入らないまま捨て牌は三段目を迎える。

瑞原はようやくこのイーシャンテン。だがは1切れ、は2枚切れ、は2枚切れと見た目以上に厳しいイーシャンテンといえよう。

14巡目に上家の寿人からが打ち出される。これは瑞原がチーして聴牌を取れる、瑞原から見て4枚目の。まさに垂涎の牌だが……

!?

スルー!!そして持ってきたのは……

!!!!

リーチ!

そして山に1枚のをツモリアガる!裏ドラ一枚のっけてマンガン!4000オールだ!

後から聞くところによると、他のパイレーツクルー達はみんなチーのテンパイを取るという意見だったそうだ。つまりパイレーツの中でこのアガリを拾えるのは唯一瑞原だけということになる。

これで黒沢を抜いて瑞原がトップ目に立つ!!

【南4局】

寿人のアガリを挟んでオーラス。ここを躱せばチームにトップを持ち帰れる場面。

瑞原の配牌には整った形と嬉しい嬉しい自風の対子。

多井から出たをポンして……

!!目一杯ぶくぶくの形に受ける!!

躱し手だからこそ、安全牌を持って手を進めることよりも目一杯に持って自分が先にアガることこそが最大の防御につながる。

その表情からも並々ならぬ覚悟が伝わる。ここで女海賊・瑞原は甘えた守備意識は捨てたのだ。

ポンで取った聴牌が……

すぐに黒沢から出てゲームセット。

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀新刊&おすすめ/