がこぼれてくるケースより、押さえつけて相手を降ろした方が幾分マシ…そういう判断である。
園田は-377.6に終わった2019シーズンほどではないが、2020のレギュラーシーズンも-28.7と本調子とは言えない成績で終わった。
良い手を作るも一歩届かなくて2着、もしくは全く手が入らなくてラス。
そんな展開が多い印象だ。
打ち手にやれることは良い抽選を受け続けることしかないのだが、園田のもとにはなかなか当選の知らせがこない。
闇の中でもがき続けているのだ。
そんな闇を吹き飛ばすような瞬間がきた。
全員に圧をかけながら、園田の手元にが舞い込んだのだ。
リーチ・ツモ・・ドラ3の3000-6000!
こんな苦しい待ちをツモる園田の姿はあまり記憶にない。
ラッキーに見えるかもしれないが、配牌からの暗槓、リンシャンから引き寄せた、リーチ判断がなくてはこの未来にはたどり着けていない。
東4局 不可解な選択を紐解く
混戦の渦中にいる雷電・瀬戸熊の親番。
その瀬戸熊が真っ直ぐ攻める。
まずはここからドラを放った。↓
自身が赤赤でこれ以上のドラは足かせになりかねない。
その2巡後、園田の手に…
ドラのが重なる…!
園田としては、役牌ドラを直前に切られ「してやられた感」を覚えているハズだ。
さらに瀬戸熊はここから打。↓
次の巡目には、ここから打。↓
好形を重視する瀬戸熊は、どちらもペンを払っていくイメージだが、瞬間の受け入れを重視した。
こうして…
垂涎のをキャッチ。
赤3枚のイーシャンテンにたどり着く。
園田が重ねる前にドラを処理し、最速でたどり着いたイーシャンテン。
瀬戸熊の牙が今にも卓上を襲わんとしていた。
これに園田が応戦する。
このチーから発進。
打とし、ドラのポンとチャンタ三色のマルチルートな仕掛けだ。
しばらく瀬戸熊も園田もイーシャンテンのままジリジリ局は進行した。
すると園田が…
ここからを切った。
なんだこれは!?不可解オブ不可解である。
を切っていて部分がフリテンだし、を切ってしまうとのポンテンがきかないのが痛すぎる。
また、→と切ったことにより、滝沢から出るはずだったが出づらくなってしまうというデメリットもある。
ではなぜ園田がを先に切ったのか。牌譜を開いて考えてみよう。
瀬戸熊から今にもリーチがくると感じていたことは間違いない。
瀬戸熊という男は、伊達や酔狂でドラを切るような打ち手ではない。
それにしてもは瀬戸熊の切っているの筋である。
園田は瀬戸熊の手の内を推測した。
ドラを切っても十分な手…おそらく123や234の三色があるのではないかと。
瀬戸熊の捨て牌を見ると4から下を一切切っておらず、こういうときは123の三色に寄っている可能性が結構高い。
三色が崩れるにせよ、数字の下の部分が危険牌になるのだ。
それを考えると、下の部分しか持っていない園田の手牌はデンジャラス極まりない。
をポンすると瀬戸熊に対する安全牌が皆無になってしまう。
たとえ筋のであろうと安全とは言い切れない…いやむしろ危険牌の1つである、沿う感じたのだ。
それでもが出たときはポンしたほうがマシだと思うが、その瞬間のためにを抱えておくほどではない、と判断したのだと推測する。