放銃は罪じゃない! 貪欲な鈴木たろうにしか辿り着けない四暗刻の手筋【Mリーグ2020セミファイナル観戦記4/20】担当記者:危険な鬼太郎

放銃は罪じゃない!

貪欲な鈴木たろうにしか

辿り着けない四暗刻の手筋

文・危険な鬼太郎【火曜担当ライター】2021年4月20日

思えばドリブンズの4選手のそれぞれの雀風はバラバラすぎると言ってもいい。

村上淳はガチガチの守備型で、園田賢は副露率が高い。偏りが無いバランスを取る麻雀を打つのは丸山奏子ぐらいな物か。

特に異質な雀風なのが鈴木たろう。手牌がバラバラな状況でも高打点を作ることに執着し、三副露しても手牌4枚全てバラバラな事もまぁ珍しくもない。

そして滅多な事がない限り降りる事を選択しない。そんな麻雀を打っているので必然的に放銃率も高くなる。

こんな4選手とも雀風が尖っているチームはMリーグにはないだろう。

たろうは打点力の高さで自分の麻雀のバランスを取っている。

そんなたろうの高打点の手作りに注目して今回の戦いを書いていきたい。

【2回戦】

東家 鈴木たろう赤坂ドリブンズ

南家 松本吉弘渋谷ABEMAS

西家 二階堂亜樹EX風林火山

北家 黒沢咲TEAM雷電

東2局1本場供託1本 親・松本 ドラ【2ソウ】

亜樹が早々にシャンポン聴牌を果たしリーチ宣言!

リーチドラ赤、

高め【中】で確定聴牌の【4ピン】【中】のシャンポンリーチ。

【4ピン】に手ごたえはない物の、早い巡目であれば【中】で他家の降り打ちも誘えそうだ。

しかしこの亜樹の待ちの【中】は山深くに眠り、そうこうしている間に巡目は終盤に差し掛かる。

ここでたろうが手詰まり。

一応七対子ドラドラのイーシャンテンではあるものの、流石のたろうとも言えどもこのド終盤で聴牌もしていない状況で無筋を押すことは出来ない。

切る牌の候補は亜樹が河に【7ピン】があって

リーチ後に【1ピン】が通ったので中筋の【4ピン】か、

2枚ある【發】か。ここは当然…。

 

たろうは【4ピン】を選んで亜樹に放銃。リーチドラ赤裏の8000の手痛い放銃となった。

これは【4ピン】を切る一手にしか私には見えない。

何故ならばたろうの対子の中筋【4ピン】と対子の【發】はアタる確率がほぼ同じだからだ。

この亜樹の捨て牌でカン【4ピン】待ちは考えにくい。

【3ピン】【5ピン】【7ピン】と持っている中で場状も無いに等しい状況で

序盤に【7ピン】を切ってカン【4ピン】に決めるとは思えない。

カンチャン待ちが無い以上、

【4ピン】【發】も対子なので両方シャンポンや単騎待ちでしかあたらない待ち。

【發】を切って仮に亜樹に放銃してしまうと一ハン分損してしまう可能性があるのでここは【4ピン】打ちになってしまう。

これがたろうが解説でよく言う「降り打ちしてしまう可能性が常に麻雀には付きまとうので、降りるぐらいなら無筋を切ってアガリに賭けてもいいじゃない!」とボヤク状況か。

東3局 親・亜樹  ドラ【中】

たろうの手が良い。

234の三色が丸見えの手牌。

労せずに三色を作れそうなので【8ピン】を切ると…。

手順で【8ピン】を切ったら【8ピン】が立て続けに2枚きたたろう。

麻雀牌に翻弄されている。

しかしたろうは首尾よく手を進めこの聴牌を入れる。

【4マン】を切れば【2ソウ】【4ソウ】タンヤオツモり三暗刻の聴牌だがたろうは苦渋の表情を浮かべる。

普通の打ち手ならばリーチツモタンヤオ三暗刻裏3の倍満ツモなんて思い描いてそうだが、

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