ダマテン一閃!
滝沢和典の気迫が
呼び寄せた執念の二盃口
文・渡邊浩史郎【金曜担当ライター】2021年2月19日
メンバーを見るだけで容易に展開の想像がつく試合というものがある。
2月19日 第1試合
東家 近藤誠一(セガサミーフェニックス)
南家 朝倉康心(U-NEXTパイレーツ)
今日の一戦目がまさにそうだろう。柔と剛織り成す四人の戦い。がっぷり四つのぶつかり合いになるのは明白だ。
【東1局】
まず聴牌を入れたのは朝倉。
ここは黙テン。聴牌、とは言ったものの、変化の多さとそのうれしさを考えたらツモアガリのできるイーシャンテンとでも言い換えたほうがいいだろうか。
ここに追いついたのが萩原。
素直にドラのを切って両面リーチといった。萩原ならシャンポン聴牌から一気通貫に……なんて思わせられたのはこの戦いの熱気に当てられている筆者だけだっただろうか。
朝倉も当たり牌のを吸収して両面リーチに!
この宣言牌をチーしたのが滝沢。安牌もなくの対子落としで粘る。
その後をチー。
を引いてマンガンの聴牌に!無筋のを静かに河に置く。
開幕からの突っ張り合戦を制したのは萩原!ツモって裏も載せてマンガンのアガリとなる!
【東2局】は滝沢の早いリーチの一人旅。終盤に悠々とマンガンをツモって萩原に追随する。
【東3局】
先制聴牌は萩原。
七対子のドラ単騎待ちだがここはダマとした。トップ目で安牌を豊富に持っている故のダマだろうか。東場ということを考えればリーチと行ってさらに突き放したいところだが、もしかしたらチーム状況を加味したのかもしれない。
実際近藤にはこの大物手。
朝倉の打点のあるリーチ。
親の滝沢の追っかけリーチと、わずか一巡で状況は様変わりしていた。
この親の滝沢の宣言牌が朝倉に捕まる。マンガンのアガリで朝倉もトップ争いに。
滝沢としてはより安全にを切ってリーチに行く手もあったが、自身の手牌の打点と通っている筋の数で勝負に出た形だったがここは裏目になってしまった。
【東4局】
今局は親の萩原の手がいい。
2巡目に赤でドラのを引き入れる。そしてMAX打点である染め手を見た打。
朝倉から出たは……
スルー!
そしてを残して打。他者三人の河に字牌が高いことから七対子に重なりやすい牌を残したといったところだろうか。