放銃は罪じゃない！ 貪欲な鈴木たろうにしか辿り着けない四暗刻の手筋【Mリーグ2020セミファイナル観戦記4／20】担当記者：危険な鬼太郎

たろうは現状1着目とかなり離れたラス目。

ここでたろうが恐れるのは他家にやを打たれる事。

そうした場合、この一見高そうに見える手がたったのリーチタンヤオの2600点しか無い手に成り下がる。無論、他家にこのやを出させないようにするためにリーチを掛けてツモり回数を増やしツモに賭けるのがマジョリティだが…。

たろうは一瞬戸惑いは見せた物の安定の打切り。

聴牌を壊し四暗刻を夢見る。

やはり聴牌を壊した原因の第一位は打点の安さ。

こうしておけば最低でものどれかをポンしてアガリを取ってもタンヤオトイトイの出アガリ５２００、ツモってタンヤオトイトイ三暗刻のマンガンに出来る。

しかもこの手は伝説の三色同刻が狙える手。

やをポンしてでアガリを取れればタンヤオトイトイ三色の出アガリマンガン、ツモったら何と三暗刻に三色同刻がついて跳満の超高い手に構えられる。

それにしてもギリギリの選択がすぎる。普通の打ち手ならば最悪は2600出アガリＯＫのツモリ三暗刻のリーチを打つ中でのこの聴牌壊し。

たろうはトップしか見ていない。トップを取る麻雀をする以上、この手がもし2600点で終わるような事があってはいけない。

たろうは聴牌を入れる。

メンゼンで。なんと四暗刻聴牌！

のシャンポン待ち。

当然たろうはリーチを宣言！これも前の三暗刻聴牌と同じでこの手牌を仮にヤミテンにしてしまったら、やのロンアガリが安すぎる。

でタンヤオ三暗刻トイトイのたった8000点で、

でアガれば三色同刻が付いて跳満。これでは余りにも安すぎる。なんせツモったら四暗刻、役満だ。

だからリーチを掛けて最低でも出アガリで跳満、

でも倍満に最低打点を決める。もうたろうは打点という魔物に取りつかれた化け物だ。

そしてこれをツモるたろう。

四暗刻ツモ。8000－16000のアガリ。

河に仲良く3枚並んだが今や愛おしい。

これはたろうにしかアガれない四暗刻ツモだといっても過言ではないだろう。

常に打点を追い求め、トップしか見ていない男だからこそアガれた四暗刻。

点数が無い状況でも攻めるたろうは、安全圏のポイントを持ったらなおさら攻める。

次局では僅か3巡目に三色リーチを掛けると

これを松本から一発で仕留めてリーチ一発三色の8000の出アガリから始まり、

自身の親番ではを暗槓してリーチを打って、

リーチツモ赤の4000オールツモ。

オーラスまでの道中で多少降り打ちなどあったものの、たろうの打点力をもってすればそれは大きな問題にならず、オーラスでもきっちりとマンガンをツモって6万点を超えて1位を持ち帰った。

唯一たろうが不満に思うことがあるのならば、四暗刻をツモったのに1回戦の園田のトップの方が素点が大きかったことか。

ここに来てドリブンズが抜け出したＭリーグ。セミファイナルが終わる頃にはドリブンズが1位になっていてもおかしくはない。

しかし…ドリブンズが初年度Ｍリーグ覇者になった時、ドリブンズはセミファイルをギリギリ4位で凌ぎ見事栄冠を手に入れた。

1位と6位とは400ポイントほど離れているが、4位までに残る事が出来れば十分ファイナルで優勝する事も可能だということだ。

去年とは一味違う、王者のドリブンズが返ってきた一日となった。このまま2度目の優勝を果たすことができるか。