逆に新規客で強そうな人に当たると、自分が一目置かれるような演出をしてました。
打牌は叩きつけるように、強く早く。
リーチを受けても打牌速度を落とさない。
リーチ一発で危険牌を通して、リーチの現物待ちを警戒させたり。
もちろん、自分の手からは安全牌ですが、周りが彼を警戒して、ミスが誘えるかもしれません。
ホンイツに仕掛けた時は、相手が切りにくいドラやダブ風はたとえ効率が悪くても現物にしない。
かなり卑怯なこともやってました。
新顔が手慣れた模打をしていると、ツモる一瞬前にヤマを僅かに横に押す。
これでツモ牌を落としたり、ヤマを崩させるんです。
「気を付けねえか! 垢ぬけないヤローだな」
「あ、すみません」
首をかしげながら謝ってました。 また自分で隣の人の足を踏んで
「痛えな」
とか。
相手に一目置かれるための正当な戦い方もしてました。
2着目が自分のトップを狙いに来ると、ラスまで叩き落としたり。 3着やラス目に甘い牌を鳴かせたり差し込んだりするんです。
「ヒモ(2着)で満足しとけよ」
こんな性格と生活じゃ、ベンツさんの言うとおり、長生きは難しいかもしれません。
(文:山崎一夫/イラスト:西原理恵子■初出「近代麻雀」2016年7月15日号)
●西原理恵子公式HP「鳥頭の城」⇒ http://www.toriatama.net/
●山崎一夫のブログ・twitter・Facebook・HPは「麻雀たぬ」共通です。⇒ http://mj-tanu.com/
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