だが、ここは小沼がツモった。この時点ではリーチツモの500-1000で逆転には至らなかったが、裏ドラがまさかの雀頭である。2000-4000は2300-4300のアガリに化け、浜野が恐れていたラス落ちとなってしまう。
それでも浜野がまだ1万点近く本田をリードしていたが、南3局に本田が1300-2600のツモアガリ。これで本田はオーラス、400-700以上のツモアガリか浜野からのロンアガリ、小沼から2000~3900までの出アガリで浜野を逆転できるところまで迫った。
浜野は親番で、ある程度加点すれば親かぶりでの逆転をかなり防げるようになるため、アガリに向かう必要がある。坂本は一発逆転の大物手狙い、小沼はリスクを負う必要が全くない。
早かったのは本田だった。テンパイ一番乗りで3メンチャンリーチを打つと、一発でツモ。決勝進出者が3戦目オーラスで入れ替わるという劇的な決着で、小沼、本田の2人が決勝進出を決めた。
1位:本田朋広 +68.1pt
2位:小沼翔 +0.4pt
3位:坂本大志 ▲23.5pt
4位:浜野太陽 ▲45.0pt
最終結果はこちら。本田と浜野の差は満貫1回分に満たない、5.8ポイントだった。だが、その数字が分かつ二人の立場は、あまりにも違う。
小沼・本田の二人は、準決勝のポイントを半分持ち越して行われる決勝戦に臨む。残り6半荘の先に、新たなMリーガー誕生の瞬間が待っている。
7/23、Mリーグ・EX風林火山入りを勝ち取るのは、誰だ。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。