「二階堂姉妹」として
新たな戦いへ
EX風林火山
二階堂瑠美インタビュー
8/3に行われたMリーグ2021ドラフト会議にてEX風林火山が4人目の選手として指名したのは、チームのドラフト1位・二階堂亜樹の実姉、二階堂瑠美。これにより、長らく麻雀界のアイコンとして業界を引っ張ってきた「二階堂姉妹」の共闘がMリーグの舞台で実現することとなった。
キンマwebでは、ドラフト指名を受けた二階堂瑠美プロに単独インタビューを実施。指名を受けた心境から、新シーズンにかける意気込みまで、さまざまなことをお話しいただいた。
-ドラフトで指名を受けての、率直なご感想からお聞かせください。
頑張ります、という感じですね。実はドラフト前に候補には入っているという話は伺っていて、ある程度心構えはしていました。その際は、もし選ばれるならどのような理由なのか、ということはすごく考えていましたね。
-理由についてのお話もあったのでしょうか。
私はタイトルも獲っていますし、実績の面では申し分ないと言っていただけました。その上で、チームとしては応援してくださる方を増やすのが一番重要だと考えている中で、連覇を狙うのはもちろん、二階堂姉妹がチームにそろうことにより、今まで以上にMリーグ・EX風林火山に注目していただき、EX風林火山を8チームの中で最も多くの方に応援していただけるようにする、というところが大きかったみたいです。
-二階堂瑠美プロは実績も知名度もあり、初年度から指名されていてもおかしくなかった選手だと思います。これまでは、悔しさみたいなものもあったのでしょうか。
初年度のドラフトで二階堂亜樹が1位指名されましたよね。そのうれしさが大きかったので、悔しさはあったとしても10パーセント未満だったと思います。そもそも、二階堂が1人入ったら2人はないなと思っていましたし、私も産後すぐで麻雀に割ける時間もあまりなかったので、選ばれなくても仕方ない、という感じでした。
-Mリーグについては、どのようにご覧になられていましたか。
まず、スポンサーがついて賞金を出してくれるという舞台を作ってくださった藤田さん(藤田晋チェアマン)には感謝しかありません。業界としてはそういうところを求めて頑張ってきたと思いますし、その舞台を麻雀界全体として盛り上げなきゃいけないと思っていました。そこで自分にできることがあるならやるのが当たり前、という認識でした。
-Mリーグで打つ意味というのは、やはりこれまでの麻雀プロとしての対局とは違うものがあるのでしょうか。
私の所属する日本プロ麻雀連盟で言えば鳳凰戦など、各々のリーグ戦が競技プロとして一番大切という認識ではあるのですが、麻雀に対する知識や技術が十分でないと楽しめないと思いますし、正直、麻雀にあまり明るくない人が面白いかどうかはまた別だと思うんです。面白いゲームだと伝えるためにどうすればいいかは、ここ数十年の業界のテーマとしてあったと思いますけど、それをより分かりやすく伝えていかないといけないし、いろいろな立場の人がいろいろな形で役割を担わなければいけないと思います。
その中で私は「魅せる麻雀」と言いますか、ファンが応援したくなるような麻雀を打つ人、という認識でみなさんに見てもらえていると思います。私は私で私の麻雀の理想の形があるので、そこが外れないように、でもちゃんと理想の勝ち方とか打ち方、見せ方を体現できるように頑張ります。
-「二階堂姉妹」は麻雀界のアイコンの一つだったと思いますが、同じチームで仲間として戦うことはほとんどなかったと思います。
番組の企画みたいなものはありましたけど、基本的に麻雀は個人戦ですからね。でも大きな目で見ると、みんな同じ麻雀プロですから、姉妹とか連盟とかではなく、競技プロである以上はみんな同じチームだと私は思っていました。だからMリーグ自体もみんなで盛り上げなきゃいけないものだ、という認識はずっと持っていました。でも、その中で「二階堂姉妹」というのはやっぱり分かりやすいですし、見る方にとっては良いことではないかなと思っています。
-新シーズンに向けて、成績の目標や麻雀以外の取り組みについてはいかがでしょうか。
個人で何勝するとか「絶対勝つ」とかを口にするのは苦手なので・・・(笑)。成績はさておき、チームの雰囲気を変えられるような存在になりたいと思っています。あーちゃん(二階堂亜樹)、かっちゃん(勝又健志)とはもともと仲がいいですけど、松ヶ瀬さんとも良い関係になれたらと思っていますし、チームの雰囲気が良くなれば、外に発信できる部分もすごく変わると思います。そういう部分は頑張っていきたいですね。
-最後に、ファンの方に向けて意気込み、メッセージをいただけますか。
連覇を狙うのは大前提として、現状の8チームの中で、一番チームとしての団結力などを強く見せられるチームを作りたいと思っています。そして、8チームで一番サポーターの数が多いチームを目指します。そのためには「るみあきちゃんねる」なども使いながら、とにかく外に発信できる力を高めていければと思っています。
-ちなみに、Mリーグで戦いたい相手、勝ちたい相手などはいますか。
やっぱり、タッキー君(滝沢)には負けたくないですね。プロ連盟では私と同期で、入れ替わりという表現が合っているかは分からないですけど、そういう点で特にシーズンの序盤は注目されると思いますし、そこでいろいろなストーリーを作っていけたらと思っています。もちろんチームでも個人でも恨みがあるとかではないんですけど(笑)、ある意味でのライバル関係として、「滝沢和典には負けないぞ」みたいなものはあります。
私はある意味で、滝沢和典が抜けた穴に入った立場なので、やはりライバルは滝沢和典と見られることが多いと思います。そこは個人的にも、積極的に出していこうかなと思っています。滝沢和典は私がやっつけます!
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。