日向藍子・瀬戸熊直樹・沢崎誠に見るチートイツの活用法【熱論!Mリーグ】担当記者:東川亮

熱論!Mリーグ【Thu】

日向藍子・瀬戸熊直樹・

沢崎誠に見る

チートイツの活用法

文・東川亮【木曜担当ライター】2019年11月28日

「大和証券Mリーグ」11/28の試合は、第1回戦を白鳥翔、第2回戦を日向藍子と、いずれも渋谷ABEMASの選手が制した。この連勝で、わずか一週間ほど前には230以上あったマイナスポイントを完全返済。現時点では45.7ポイントの第3位という位置まで順位を上げている。

このように、Mリーグは一週間で一気の浮上も可能という混戦リーグとなっている。首位KADOKAWAサクラナイツと最下位の赤坂ドリブンズのポイント差も340ちょっととなっており、この先もまだまだ目が離せない展開が続くだろう。

さて、今回はこの日の2試合でしばしば見られたチートイツについて触れてみたい。

第1回戦

東家:茅森早香(セガサミーフェニックス)

南家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)

西家:沢崎誠(KADOKAWAサクラナイツ)

北家:瀬戸熊直樹(TEAM RAIDEN / 雷電)

この日最初のアガリは、沢崎のチートイツ。東1局親番の茅森がトイツ、ドラ含みのメンツもあるという大物手だったが、それをきっちり潰した形だ。なお、テンパイ打牌は暗刻から打ったなのだが、このあともう1枚を引いたときに手出しをしている。こうしておくことで手からトイツでが打たれたことになり、チートイツのカムフラージュになる。

 

沢崎は、次のアガリもチートイツだった。東2局2本場、瀬戸熊の待ちリーチに対し、チートイツでテンパイをしていた沢崎は最終的にへと待ちを変え、親番で追っかけリーチに打って出た白鳥の宣言牌を捉えた。

 

沢崎は前巡に1枚切れの単騎テンパイとなっており、待ちごろの牌であることからここでリーチの選択も考えられたが、そうすると次巡ので手痛い放銃となっていた。瀬戸熊のリーチに対してうかつに前に出なかったことで、アガリを呼びこんだ形だ。

このように、チートイツは局面次第で、危険牌を抑え込んで待ちにできるというメリットがある。また、リーチなどに対してオリるときも安パイを2巡続けて打てることが多く、攻守両面において使いやすい手役と言える。

なお、3メンチャンを頭ハネ(※)された瀬戸熊は、次局にも再び沢崎に頭ハネをされることになる。2回目の頭ハネのすごさについては、たぶん木曜日観戦記者の真中彰司さんが書いてくださっていると思うので、そちらをご覧ください。

※頭ハネ:同じアガリ牌を上家にアガられること。Mリーグでは、2人が同じ牌でロンアガリする「ダブロン」はなく、上家のアガリのみ成立する。

さて、2度の頭ハネで心中穏やかではいられないであろう瀬戸熊に、東4局の親番で逆襲の一手が入る。ドラのを使ったチートイツのテンパイ。ダマテンで9600、さらにを引けば平和高めリャンペーコーという超大物手への変化も見える手だ。しかし瀬戸熊は、2枚切れを見てリャンペーコーを見切ったか、待ちでの即リーチを選択した。自身で2枚切っているのスジ、ということもあったかもしれない。ただ、このリーチは実らず流局。

さらに次局、再び瀬戸熊がチートイツをテンパイ。わずか4巡での親リーチで、他3者からすれば非常に厳しい。また、リーチの前巡に切られたをつり出すための布石にもなっている。これだけ早い巡目だとヒントが少なく、スジを頼って打ち出されることも想定して、狙いを定めていたのだろう。

結果は山にいたを瀬戸熊がツモって3200は3300オール。リーチしてツモったときの打点力も、チートイツの魅力の一つだ。

なおこの後、試合は沢崎・瀬戸熊の壮絶な殴り合いが繰り広げられたものの、最終的にトップを取ったのは乱戦をしたたかに立ち回った白鳥だった。その様子はたぶん木曜日観戦記者の真中彰司さんが書いてくださっていると思うので、そちらをご覧ください。(2回目)

第2回戦

東家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)

南家:日向藍子(渋谷ABEMAS)

西家:魚谷侑未(セガサミーフェニックス)

北家:萩原聖人(TEAM RAIDEN / 雷電)

こちらの試合も、最初のアガリはチートイツだった。東1局、チートイツに狙いを絞っていた日向がもくろみ通りにテンパイを入れ、待ちリーチ。「単騎はで待て」という麻雀の格言を聞いたことがある方は少なくないだろう。

もちろん日向がその言葉を意識したということはないだろうが、リーチが比較的早いこと、が日向の役牌ではない字牌(オタ風)ということ、さらに1枚切れの親の現物ということで、この待ちはまさに絶好。

 

ここに一発で飛び込んでしまったのが萩原だった。6巡目のリーチで、萩原の手の中はある程度整った形。は親の現物として残していたのだろうが、それが仇となってしまった。さらに裏ドラが2枚乗って、リーチ・チートイツの手がなんとハネ満に。

なお、竹書房から刊行されている近代麻雀戦術シリーズ「知るだけで強くなる麻雀の2択(著者:みーにん×梶本琢程)」によると、チートイツで裏ドラが乗る確率は20パーセントを超えるそうだ。しかも乗るときは必ず二つ乗るので、打点上昇効率は申し分ない。チートイツのみの手でも、リーチしてツモって裏を乗せればハネ満である。こうした一撃の可能性を秘めているのも、チートイツの大きな特徴と言えるだろう。

日向は東4局2本場でも、6巡目に待ちのチートイツリーチ。

3巡目にはこの牌姿からのメンツを壊す打を選択してチートイツに手役に絞っており、これが功を奏した形だ。確かに、ここからメンツ手を見るよりは、チートイツに絞った方がアガリへの道筋は近そうだ。

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