己の読み、押し引きを愚直に信じ牌を切り続ける白鳥翔 その先のトップとチームのために…【Mリーグ2020観戦記11/24】担当記者:危険な鬼太郎

己の読み、押し引きを愚直に

信じ牌を切り続ける白鳥翔

その先のトップと

チームのために

文・危険な鬼太郎【火曜担当ライター】2020年11月24日

麻雀というゲームは単純な物で、他家のリーチを貰った場合に自分が聴牌じゃなかったらベタ降りするケースが非常に多い。リーチに対して無筋を切っていいのは好形イーシャンテン以上の時ぐらいなものだ。

ただ、時には自身の手が3シャンテンという弱い手牌だったとしても、他家のリーチに対して無筋を切らざるを得ない局面という物も存在する。

【2回戦】

東家 白鳥翔渋谷ABEMAS

南家 滝沢和典EX風林火山

西家 瀬戸熊直樹TEAM雷電

北家 佐々木寿人KONAMI麻雀格闘倶楽部

東1局 親・白鳥 ドラ

寿人が珍しい役有りヤミテンを取る。

カンタンヤオのみの聴牌に構える寿人。これは単純にを引いて3面張になれば567のタンピン三色の跳満まで見込めるし、リーチを打つにしてもタンヤオのみでは寂しいのでドラの引きや、赤牌を引いて最低でも5200点以上にもしたい所。

これに滝沢が愚形の方から引いて追いつきリーチ宣言!

待ちのリーチピンフドラ3の高目タンヤオの勝負手。ヤミテンでもピンフドラ3の最低打点は約束されている物の、この巡目で8000点じゃ安すぎる。

ここは最低でもリーチしてをツモっての跳満や、高目のをツモっての裏1の倍満まで見たい。下家がピンズのホンイツをやっているぐらいなもので、自体の待ちも薄くは見えない。

これに寿人がまさかのでの放銃。

この手でを切るのは寿人ぐらいな物だろう。普通はを警戒してを切るぐらいならばを切る。だが寿人は

「まだ滝沢のリーチには無筋が多い。現物のを切って外す手もあるが…を切っていてフリテンになりやすい。でのアガリ逃しも痛くなるし、567の三色を逃すのももっと痛い。一牌ぐらい押しても問題あるまい」

としての軽く無筋のを押した。なまじ滝沢のリーチに対して無筋が多いからこそ567の三色を狙いたい、という欲深い一打。

ただこれが高すぎる。寿人がリーチ、タンヤオピンフ、ドラ3、裏の12000の放銃。

他家のリーチや仕掛けに対してはかなり丁寧に打つ寿人がこのを打つのは意外だったが、寿人の平均打点が高いのもこの程度の牌ならばノータイムで押すところにあるのかもしれない。

東1局で12000なんて放銃しようものならば、物凄くメンタルを持っていかれそうなものだが鋼なメンタルを持っている寿人には関係が無い。

東2局には

リーチツモドラの1000-2000をアガリ。

東4局の寿人の親番では

リーチツモピンフ赤の2600オールをツモって一気に点棒を回復させる。なんだか寿人はリーチして赤をツモる回数が異常に多すぎる気がする。

単純に赤が好きすぎて赤牌の周りでリーチをすることが人よりも多すぎるから、そのように錯覚するのかもしれない。

南1局3本場 供託2本 親・白鳥 ドラ

今日の勝負所を迎える。まずは滝沢が首尾よく聴牌をはたしてリーチ宣言。

カン待ちでのリーチ。場を見てもカンは良く見えずむしろ悪いまであるが、場に供託が2本と3本場で2900点が落ちている。この供託を他家に取られてしまっては困るので、ここが勝負どころと見てのリーチだ。

親番でドラドラの白鳥が苦悩する。

あの滝沢がリーチを打っているので降りたくはなるが、自身の手はドラのが対子の七対子イーシャンテン。9600のイーシャンテンで、場に供託が3本も出たのでトップを狙うのならばここで降りる訳もにも行かない。

ただ、全部が全部押すわけでもない。

ここは打の2枚壁でかつ、滝沢に放銃したとしてもで放銃すればタンヤオは付かないのでギリギリの押し。放銃しても致命傷にならないようにする押し引きを要求される。

これに寿人が追いつきヤミテン選択。

正直意外過ぎた。あの寿人が無筋のを切ってカンの赤赤の役無しヤミテンを選択するとは。

無筋のを切ってヤミテンにするぐらいならば、現物のを切って好形の聴牌復活を期待するのが普通なのだが…。滝沢からのの出アガリよりも、自身手が好形手替わりになる事を期待しているし、ひょっこりツモも大歓迎な所。

寿人が怒りのツモ切りリーチを打つ。

一巡しか手替わりを待てない男、佐々木寿人がカンのままでのリーチ宣言。このリーチ宣言牌も無筋のなので、これを切る以上はリーチの方がましだと思ったのだろう。

これに親番の白鳥が何とか追いつく。

これに七対子ドラドラの聴牌を入れていた白鳥の顔が青くなる。

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