なんと裏ドラが3枚乗り跳満に!
トップの松ヶ瀬を親被りで3着に沈めながらトップに立った。
南1局
親番の岡田が好配牌を手に入れ、素直に字牌を切っていく。
対して、形の苦しい松ヶ瀬は
岡田の現物である字牌を残し、かなり手狭な進行を選択する。
先手を取ることは優先せず、後手を踏んだときに安全に押し返せる構え。点数が減っても動じない。
結果として、この構えが功を奏す。
13巡目、小林のリーチに対して完全安全牌のを切って聴牌を入れ…
小林のリーチに対して回った岡田から出たを捉えることに成功する。
松ヶ瀬は5巡前から字牌しか切っておらず、聴牌の気配はほとんど出ていなかったのではないだろうか。トップ目の岡田から意表を突いた直撃に成功。
続く南2局。ダブをポンしたたろうがドラを重ね、–待ちの満貫聴牌を入れる。不運にもの対子落としをしていたトップ目岡田が放銃してしまう。
トップ目から痛恨の放銃。この放銃によりラス目のたろうも2万点台に復帰。終盤にして勝負の行方はわからなくなった。
南3局
親番のたろうが衝撃の選択を見せる。
3巡目、バラバラの手牌からなんとドラの切り!
解説の渋川プロは、この打牌の意図について「自分のアガりは捨て、捨て牌を作ることで他家を牽制すること」が主な要因だと解説してたが、たろうは対局終了後に自身のユーチューブチャンネルにて「アガリまでのスピードを意識した選択」と説明している。
どちらの要因もありそうではあるが、たろうオリジナルな選択であることは確かだろう。たろうは今シーズン「4着回避率1位」を目指すと発言しているが、今後どんな「攻めの4着回避」を見せてくれるのか期待したい。
この局は小林が岡田へ2000点の放銃となり、接戦のままオーラスへ突入した。(本日実況席にいないこの人も思わず反応していた)
南4局
全員がトップを狙える混戦の中、2巡目に親番の松ヶ瀬はドラのを重ねる。
Mリーグルールではオーラスアガりやめがないため、親番の松ヶ瀬は安手をアガってトップに立ったところで状況はあまり変わらない。ここは大物手をアガって点差の開いたトップを目指したいところ。
そして6巡目、を引きの聴牌を入れ…
松ヶ瀬は黙聴を選択…!
リーチをかければはもちろん、も簡単に出る牌ではない。そして接戦のこの状況でリーチ棒を出すと下位2人の条件を緩和してしまう。ひっそりと気配を消しが溢れるのを待つ。
だがその2巡後、を引いた松ヶ瀬は––待ちのフリテンリーチを敢行する!
西家の小林が3巡目にを、北家のたろうが5巡目にを切っており、かつが自身の目から3枚見えているため–がかなり良い待ちに見える。フリテンで見合うと読んで勝負を決めにきた。
その後、岡田が–待ちの聴牌を入れるも
を松ヶ瀬がツモって4,000オール。トップを決定付けるアガリになった。
南4局1本場では2,600オールをツモ。続く2本場では岡田が2着を確定させるアガリを決め、松ヶ瀬は早くも今期2勝目を獲得した。
その場の状況に応じて繊細な判断を見せ、見事トップを勝ち取った松ヶ瀬。しっかりとチーム・サポーターの期待に応えることができたのではないだろうか。(インタビューも前回よりリラックスしているように思えた)
EX風林火山の新しいポイントゲッター、松ヶ瀬の闘牌に期待したい。
日本プロ麻雀連盟所属プロ。株式会社AllRuns代表取締役社長。業界を様々なやり方で盛り上げていくために日々奮闘中。Mリーグ観戦記ライター2年目。常に前のめりな執筆を心がけています(怒られない範囲で)。Twitterをフォローしてもらえると励みになります。
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