初めてキンマWEB様で観戦記を書かせていただいたのは、最強戦だった。
Mリーグが始まる時にライター募集のツイートを見て応募。少しやり取りをした後に、じゃあまず最強戦で試しに書いてみませんか、という流れだったと思う。
多井プロの大三元聴牌、馬場プロの逆転条件を満たすメンホンリーチ、最強位目前まで迫った猿川プロ、それらを躱し切った金プロの戴冠。
最強戦2017の盛り上がりを見て憧れた大学生が、その盛り上がりの片棒を担がせてもらった。
そしてそんな大学生は時を経て今、最強戦の舞台に立った。
予選を経て
今から思えば予選は神がかっていた。
10巡目
ツモアガリか聴牌・横移動で勝ち上がりだが、誰に何点放銃しても負け・ノーテンでもだいたい負けという局面で配牌三面子。アガリに向かうもリーチが打てない中でこの聴牌を入れていたところにひいてきた。
場を見ればかなりピンズの下が安い。がいそうだし、実際後ろで見ていた立会人の杉山プロも「カン続行だと思ってた」と言っていた。私も普段ならなんだかんだ理由をつけながらもカン続行だったと思う。
後からになれば色々理由もつけれるが、一番は瞬間指が選んだという理由で打とした。
次巡のツモが。恐らく予選一番の危機を乗り越えて、ベスト16に滑り込み。そのままベスト8へと進出した。
プロ予選当日
一週間前からとにかく体調管理と、悔いが残らない行動を心がけていた。
当日は入り時間の40分程前に現地入り、既に同じ入り時間だった古本プロと高口プロが着いていてびっくりしたことを覚えている。
その後、入場の段取り等を教えてもらって場決め、引いたのは。
控室が一緒だった小川プロと二人で起家を引いた。
「起家は周りが放送対局で緊張していて押し引き・手組が甘くなるから少し有利」
なんて話を笑いながらしていた。
A卓を観戦しながら待つ。自分でも驚くほど緊張していなかった。
放送対局に慣れているからだろうか。FocusMには感謝してもしきれない。
いよいよ入場。
メイクの人に「金本さんみたいにオールバックにしませんか?」と言われたが
「ファイナルに行ったらオールバックにするのでよろしくお願いします」
と返しておいた。盛大なフラグである。
対局が始まって、最初に生まれた選択らしい選択はここだろう。
高口プロのリーチを受けた場面。
私の考えた選択はかの二択。
七対子マックスに受ける切りは高口プロに通っていないところではあるが……
この時、高口プロは小考リーチだった。高口プロにが当たるなら待ちしかない。しかし仮に高口プロが待ちなら、が四枚見えていて見た目最高の待ちに見えるだろう。二切れのとなにかのシャンポンでここまで悩むだろうか。
とはいえ四暗刻の最高形も面子手戻りもあるし、何より高口プロの麻雀をしっかり把握していない状態で安易な思い込みで打つべき牌ではないと判断して素直に切り。
この局はその後押してきた小宮プロのアガリで連荘。
元気に先制愚形リーチドラ1をツモって裏も乗っけてマンガン。これで少し一息付ける点数に。
元気に自風をポンしてとのくっつきのイーシャンテン。1000点でもいいから3着目4着目の親番は流していきたい。一段目の一枚目ならスルーしていたかも。
聴牌料で3着目の原プロと点差がつく。連荘は嫌だが聴牌量で差が広がるのはかなりうれしい。
第一打ドラの。供託込みで状況を考えると、重なる以外はどうせ切るか抱えて降りるになる牌。一番切りやすいタイミングで切る。
また先に切っておくことで、後のポンやバックの仕掛けとなった時に見るからに千点を演出できる。高口プロのリーチや高い仕掛け等が来たときに小宮プロから甘く打ってもらえないかなとの思いも込めて。
狙い通りのバックしかない仕掛けになるも、小宮プロに受けられてしまう。
小宮プロからすれば下が競った方が通過の確率が上がるので、わざわざ差しに行って親を流す必要がないと考えたのだろう。ここは自分がトップ目なら……の思考が先行しすぎて自身の策に溺れる形となってしまった。
親のリーチを受けて河底牌選択。リーチの安牌はと。小宮プロは受けていて、考えるべきは原プロ。
リーチ後危険牌は打っていないが、聴牌しているなら原プロの河と見えている枚数的にマンズの下のほうが埋まってなさそう。打。
高口プロが連荘で点棒を重ねての局面。ポンして打、ポンして打。以降全部ツモ切り。
高口プロの河は打の前が打で、を対子固定してWを残している。
が両面で当たる形でテンパっているなら
(一面子)といった形。これならピンズの下の両面を生かしたリーチがあるのでさすがにから切りそう。
は愚形フォロー説が濃厚ということで本命はカンかなあと思いながら、勝負手になってしまったので安全牌を残して打。
その後5本場で小宮プロから3900は5400直撃でまた二着争いが熾烈化。めちゃくちゃ裏ドラが乗ってくれてすごくうれしい。
4着目原プロの親番はやらせて得なことがあんまりないので必至の躱し。