三者も、もう一席の椅子は譲れない。
荒が６巡目にリーチを宣言した。
2着目の原は、やや受け気味に。
パタはリーチを受けるとすぐにドラが3枚になった。
戦いたいが、まだ形は苦しい。
ツモで現物のを切りこの形に。
そして、上家・荒が切った
をでチー。
喰い伸ばしてタンヤオの仕掛けをした。
苦しい１シャンテンだと思ったが、この手があったか！
これが大正解ですぐに
を引き入れ、待ちのテンパイにこぎつける。
荒にツモ切られたがどれほど嬉しかった事だろう。タンヤオドラ3で8,000は8,300のアガり。
2着目に浮上した。
南２局 ドラ
3着目にひきずり降ろされた原。
この親番で再度逆転を狙いたい。
しかしまたしてもパタがドラドラのチャンス手で
をポン。
原がリーチで待ったをかけた。
もちろん高目や裏ドラでなかなかの打点だが、本当はもうワンランク上を狙いたい手だ。
しかし２着目のパタが仕掛けていてはその猶予もないだろう。
２度目の役満賞はお預けにして、プレッシャーをかけていく。
パタもすぐにテンパイで追いつく。
そしてツモで
ドラのとのシャンポンに待ちを変えた。
は原の現物待ちだったのだが、とても判断が早い。
川原もテンパイするが、戦う場面ではなく変顔をしながらオリてゆく。
無筋のを勝負するパタの手は震えていた。祈るようにツモる原とパタ。
たくさんの応援している人達がこちらにまで見えてくる。
バシッ、と美しいモーションで叩きつけられたのは…！
パタの勝利で２局連続満貫のアガりとなった。
南３局、荒も4,000オールをツモって2着戦線に名乗りをあげるも、次局はパタがしっかりとあがりきってハネツモ圏外へ。
そのまま川原とパタが通過を決めた。
１位通過 川原舞子
「めちゃくちゃツイていたが、点棒を持ち慣れていないので苦労した。
明日の2ndステージも精一杯腕を振って頑張りたい。」
連日対局の疲れも見せずに、しっかりと勝ちきった川原。
勢いそのままに駆け上がる彼女を早く見たい。
夫・古橋はあえての辛口実況であったが夫婦にとっても想い出の対局になった事だろう。
２位通過 パタ☆ロッソ
「手詰まりそうな手牌でなんとかこらえて放銃しなくて済んだのが良かった。明日も楽しんで打ちたい。」
パタは、ファイナルでは自分が格下なので楽しんで打ちたい、と事前のインタビューでも語っていた。ところが蓋をあけてみれば後半の主役は彼だった。
解説の金も「プロにもひけをとらない麻雀だった」と絶賛。
筆者も本当にいい麻雀だと思った。
何より麻雀を愛しているのが伝わってきて嬉しかった。
負けた原も、今回の最強戦で一気に注目を集めた。ポーズと麻雀に磨きをかけて来年に備えて欲しい。
70代になった荒正義の麻雀も、大勢のファンが待っているはずだ。
麻雀に人生を賭ける者達が集う最強戦。
2ndステージでもまた敗者が生まれる。
最後にスポットライトを浴びるのは一体誰なのか。それはまだ誰にも分からない。
世界で一番麻雀が強い奴は…
誰だっ…！！(エコー)
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