結果は明暗あれど、、、
二階堂亜樹と
白鳥翔が魅せた
それぞれの麻雀プロ
としての選択
文・武中進【火曜担当ライター】2021年12月22日
12/21(火)、
1戦目に滝沢和典がトップを取った事でついにKONAMI麻雀格闘倶楽部がEX風林火山にかわってトータル1位に躍り出た。
そしてそのバトンを引き継いで2戦目に登場したのが滝沢の長年の盟友、佐々木寿人である。
さてこの半荘の結果を先に言ってしまうが、
その佐々木がチーム好調の波にのるかのようにトップとなり格闘倶楽部が連勝、この日さらにポイントを伸ばした。
まずは佐々木の勝因となった主な局を挙げたい。
大きな加点をしたのが東2局、恵まれた手牌とツモを生かしてリーチをし、電光石火の3000,6000。
ダマでも8000点以上は確定の手だったが、この手をそんな優しい加点でこの男が済ませるはずもない。
そして南3局、
トップ争いのライバルである亜樹の親番は積極的な仕掛けで4巡目に3フーロのテンパイ。
終盤にをさらに重ねた上でを引いて700,1300のアガリ。
これによりオーラス親番をトップ目で迎え、そのままノーテン流局でトップを手中にしている。
アガったのはこの2局のみ、その他の局は基本的には他家の動向にしっかりと睨みを利かせ、時にはプレッシャーをかけに行く適切な進行、
解説が「技術で勝ち取ったトップ」と表現するような玄人好みのゲーム回しだった。
だがこの半荘の「麻雀の内容が面白かった打ち手」という点では、私の中では別の2名に軍配が上がる。
あくまで「私の中では」なのだが参考までにその理由となった局をそれぞれ紹介したい。
まず二階堂亜樹。
個人的にはこの半荘、彼女が一番多くの印象的なファインプレーを繰り出したと感じている。
大きな見せ場の一つが東4局。
南家の白鳥が8巡目に先制リーチ。
この直後に亜樹が以下の形。
選択肢として
・直前に萩原が切ったを切ってイーシャンテン戻し
・を切ってのリーチ
のいずれかと考えて見ていたのだが、亜樹の選択は切りのヤミテン。
両面待ちが既に場に3枚見えている、しかもドラ跨ぎのスジ、この条件下でのピンフドラ1では先行リーチにぶつける価値がないとの判断。
この選択が功を奏す。
次巡にドラのをツモ、一気に打点が倍以上に跳ねあがったゆえ、今度は真っ向勝負のリーチ宣言。
結果としてこの後に3軒目のリーチを入れた萩原からにて8000のアガり。
南2局は守備で魅せる。
13巡目にラス目親番の萩原がカンでリーチ。
苦しいドラ表示牌待ちではあるがやむなしの状況。
この時既にメンホンテンパイを入れていた亜樹だったが、一発でドラのをつかまされて長考に入る。
親の河を見るとそれなりに通りそうな牌にも見える。しかし点棒状況的には親への大きい振り込みは絶対に避けたい局面、だが一方で萩原の現物は1枚も持っていない。
押す選択も普通に考えられる局面だった。
そして実はこのドラ、萩原には通るのだが1フーロの白鳥のロン牌だった。
しかもチンイツで12000の大物手である。
上述の通りは萩原の河にはやや通りそうにも見える、
そして白鳥の河はそこまで偏ってもおらず染め手とは断定しにくいうえ、テンパイかも不明、
やはり現物も無い故に勝負か?
と思ったが亜樹はここから一番安全な牌を慎重に模索して切りで放銃を回避。