ここが俺の墓場となっても構わない。
この局に価値を見出すために、俺はずっと我慢してきたんだ!
このが山にごっそり眠っており、近藤がアガリ切ると思われた。
しかし…
親の村上がテンパイした!
タンヤオドラドラの! しかもが近藤の現物であり、脇からこぼれてもおかしくはない。出ていくは通っていないが、めちゃくちゃ目立つ牌でもない。
村上はそっとを切る。
2巡後村上がツモってきたのは…
!
これは誰がどう見ても危険牌。
「危険牌を切り、どうせテンパイがばれるならリーチ」という考え方が一般的だ。
しかし、村上はじっと
を縦に置いた。
テンパイはバレるだろうが絶対じゃない。
困った人は村上のテンパイを感じつつリーチの現物を重視するだろうし(特に手牌の短い萩原)のちに村上はスライドなどで切る牌を選べたり、ド終盤となったらオリることができるのも大きい。
わずか数%だが、アガリ率はダマのほうが高いのだ。
ならば俺はその数%を手放さない!
勝つのは黄金の左手か──
それともドリブンズの執念か──
互いにソウズをツモるも鼻先をかすめるばかりでアガリ牌ではない。
決着は静かに訪れた。
「ツモ、30006000は31006100」
近藤「久しぶりに自分らしいというか、気持ちいい半荘だった。」
後に近藤はこう語った。
激しく点棒が動いた半荘だったが、近藤はじっと耐え、この一撃にて
ヒーローインタビューの座へと着いた。
各チーム、レギュラーシーズン残り30戦。近藤の切ったジョーカー然り、今後は各チーム総力で生き残りを目指してくるだろう。
毎年言っているが、Mリーグはここからが面白い。
麻雀ブロガー。フリー雀荘メンバー、麻雀プロを経て、ネット麻雀天鳳の人気プレーヤーに。著書に「ゼロ秒思考の麻雀」。現在「近代麻雀」で戦術特集記事を連載中。note「ZEROが麻雀人生をかけて取り組む定期マガジン」、YouTubeチャンネル「ZERO麻雀ch」