徹底したドリブンズ包囲網 園田は抜けることができたのか【Mリーグ2021観戦記2/24】担当記者:ZERO

(萩原さんにツモられても堀さんにアガられても捲られてしまうが、かといって放銃も許されない。ここは押しているそぶりを見せながら、堀の放銃か終盤でのテンパイを目指すのがベターか。)

優位を信じて突き進む堀。

防戦を強いられる園田。

両者の思惑と読み合いが交錯し、場は終盤までもつれる。

残りツモ3回というところで、堀の切った【9マン】に園田の手が止まった。

 

堀は【東】以降も【1ピン】【3マン】と無筋を押していて、テンパイしている可能性も十分ある。

つまり自分がノーテンのままだと、ほとんどの結末でバッドエンド(2着)になってしまう。

それなら自分が前に出ているところを見せて、最後のツモ番あたりで堀をオリに選択できるよう誘導したほうがマシか。萩原のハイテイもずれる。

もしも萩原がリーチ+1ハンでツモ裏条件の場合、ハイテイでマンガンとなってしまい、親被りで2着になってしまう。

「チー」

そして園田が動いた。

理論武装で押していく堀に、虚勢でも前に出ざるを得なくなった園田。

意地の張り合いとも呼べる戦いは、次の瞬間に決着した。

「ツモ」

萩原が20004000のツモでラス抜け。

親被りで園田は2着になってしまった。

「チーしたからツモられた」

と叩かれかねない選択と結果だが、ツモ牌はわからない以上、結果に因果関係はない。

園田としては少しでも得になる選択を積み重ねただけなのだ。

そこで私は理論的に疑問を投げかけたい。

萩原のハイテイずらしじゃなく、ハイテイ消しは考慮に入れたのか… と。

たとえば

・誰かの暗槓
・魚谷が堀、園田からポン
・堀が園田からポン

があれば萩原のハイテイが消える。

萩原の手牌がリーチツモ+1ハンの合計3ハンで裏が乗ってないときだけ得になるハイテイずらしより、ツモそのものを消すことができるハイテイ消しのほうが遥かに効果は高い。

園田のチーを見た瞬間、その疑問を感じたが、私が思いつくことくらい園田はとっくに考えている。

もう一度考え直すと、

・誰かの暗槓
・魚谷が堀、園田からポン
・堀が園田からポン

いくつかあるハイテイ消しを挙げたが、ほとんど起こり得ないのだ。

そもそもドリブンズに沈んでほしい魚谷としては、萩原のマンガンツモは悪くない。

自分はラスになってしまうものの、ドリブンズがトップを逃すことにより、その差は開くからだ。

実際に魚谷は

「ベストではないけどベターな決着」

と語っている。

つまり魚谷は暗槓もしなければポンもしない

萩原のマンツモが大歓迎の堀も暗槓と園田からのポンはほとんどしない
(厳密に言うとテンパイする牌はポンするが、園田がポンできる牌を切ることがほとんど考えられない)

つまり残りの事象としては

・萩原の暗槓
・自分が【4ソウ】【7ソウ】を2枚連続で引いての暗槓

でしかハイテイを消すことができない。

おそらく園田はここまで考慮に入れていたのではないかと思う。

そう考えるとチーしたほうがほんの少しだがマシだ。

通常、リーチ者のハイテイを消すために他家は努力をするものだが、ドリブンズの状況がそうさせない。

説明したとおり、こうやって他チームからのドリブンズ包囲網が敷かれていくのだ。

無情に残り試合数が減っていき、ドリブンズはますます苦境に立たされていく。

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