ほんのちょっとだけ
欲張りなお母さん
茅森早香は今宵も
打点の夢を見る
文・ゆうせー【木曜担当ライター】2022年2月24日
【第1試合】
東家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
南家:沢崎誠(KADOKAWAサクラナイツ)
西家:本田朋広(TEAM RAIDEN / 雷電)
北家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
解説 河野直也 実況 日吉辰哉
レギュラーシーズンも残り10戦。
現在7位の赤坂ドリブンズ。先発は鈴木たろう。火曜日2戦目の大トップから、日をまたいでの連投だ。
「ミスターパルプンテ」
入場時にたろうはそう呼ばれた。
パルプンテは人気ゲーム「ドラゴンクエスト」に登場する呪文。効果は、
『何が起こるか全く分からない』
その呼び名にふさわしい、オリジナルの選択が東1局から飛び出した。
親番たろうは4巡目、
ここから打とした。のポンをメインとするなら打だ。トイツが多い方が動きやすい。
しかし、たろうの眼は、両脇の第一打をとらえていた。絶好のカン受けを軸にリーチとポンの両方を追う。
次の分岐点の、
8巡目には、
打! 依然よく見えるカンターツを外しはしない。ならばマンズは1ブロック想定だ。が2枚見えていることから、瞬間のロスを2枚におさえつつ、ポンとリーチの両方を貪欲に狙う。
次のツモは、
!
そして、
立て続けにを引き入れて、カンリーチ!
たろうにとっては、ターツを軸に手を進めていったいわば「普通」の選択かもしれない。だが、見ている我々にとってはなかなか思いつかないルートだ。
そしてこの、リーチ時点で山に4枚眠っていた。
この日は、たろうの表情がいつもと違って見えた。
『勝ちたい』
そう願うたろうの、
最後のツモ番にもはいなかった。
「ロン」
そしてこのが、を仕掛けていた本田への放銃となってしまう。
タンヤオ赤ドラドラ。8000点。
時間がほんの少し、止まった。
局は進んでいく。