「何それ~」
ほぼ似たようなケースでオーラスにダブ南待ちのチートイツ。
手詰まりしたトップ目から、ハイテイで出てきました。
「何それ~。アンコになったら安心して切ったのに」
前者は機械的なものですが、後者は対人ゲームの心理的なおもしろさです。
チートイツのみのダマは、待ちごろの牌に変えたいのと、ドラ引きに備えてですよね。
待ちごろの牌を引くまでには、けっこう巡目がかかるし、その間捨て牌はどんどん弱くなってしまいます。
待ちごろの牌も薄くなるし。
データ無しの藩話しで申し訳ないんですが、チートイツのオタ風待ちは、初牌で1枚切れでも地獄待ちでも、アガリ確率と得点のバランスの平均、期待値はあまり変わらないのではないかと思っています。
初牌は警戒される代わりに、ツモの確率が高くなり得点も高くなる。
地獄待ちは逆ですよね。
先に書いたように、ゲームやギャンブルで20%の違いは大違いなので、あまり変わらないというのは言い過ぎかもれません。
そういうデータがあれば、20%以上違う可能性はありますが、勝負事はとっとと突っ込んでいったほうが良い結果が生まれると思います。
相手のベターを
自分のベストにする
英語の表現としてかなり怪しいですが、複数の対人の対人ゲームの押し引きではありがちです。
何年もフリーで打っている私ですが、実は押し引きに関する引き出しはあまり多くありません。
「場合による」は深く考えずにリーチやホンイツを目指して軽い麻雀を打っています。
たぬで特別に成績のいいクルーは、正確な牌効率の他に押し引きに関する、数値化できない経験値があるようです。
ラス目の所が突っ張ってきそう。
現状マンガンでトップに届かないけど、ラス目がリーチ棒を出してくれれば条件がクリアできる。
相手もこちらのリー棒を望んでいる。
ラスに放銃しても転落しない。
下家がマンツモしてくれれば、自分がタナボタトップになれるので、キー牌を鳴かせる。
など色いろなかけ引きがあり、オーラスは特に面白いシーンです。
引き出しの中身は、人によって種類違っていて同じものでもレベルが大きく違っていそうです。
自分が考えたこともないようなことを相手が考えてるのって、素晴らしいですよね。
自分の引き出しをリストアップして、場合分けしてみるのもいいと思います。
(文:山崎一夫/イラスト:西原理恵子■初出「近代麻雀」2017年11月1日号)
●西原理恵子公式HP「鳥頭の城」⇒ http://www.toriatama.net/
●山崎一夫のブログ・twitter・Facebook・HPは「麻雀たぬ」共通です。⇒ http://mj-tanu.com/