胸の炎は消さないぞ! 赤坂ドリブンズ丸山奏子 は「なんなん!?」と叫びたい【Mリーグ2022-23観戦記10/6】担当記者:ゆうせー

結果はまたも滝沢の勝利。

結ばれた唇。開けられた手牌を見つめながら、丸山は何を思うのだろうか。

東4局

親番である松ケ瀬の手がいい。いいと言うか良過ぎる。

前巡に門前での打点を考え、【8ピン】を打ってドラを残した松ケ瀬。ソウズを引き入れてテンパイしたここは、

ダマだーーーー!!!!!

牌譜で見てみよう。

ピンズに注目して河を見ると、対面の丸山と下家の滝沢が1枚も切っていないことが分かる。ピンズは高いという判断だ。

また、これはYouTubeで松ケ瀬が牌譜検討をしているときに聞かせてもらったことだが、

「ダマにしておくと、テンパイではないと判断した他家から打ってもらえる。これが大きい」

という思考もあったそうだ。確かに、リーチなら皆警戒するが、ダマなら「【9ピン】が松ケ瀬に当たるから止めよう」とはなりづらい。

もともとダマでも、【3ピン】【6ピン】ならツモるとハネマン。場況をふまえて、アガリ率を最大に保つためのダマ判断だ。

少し話は逸れるが、1半荘丸々、Mリーガーらトッププロの思考を直接聞かせてもらえる場があるなんて、本当に素晴らしい時代になったと感じる。

「繊細なる超巨砲」と呼ばれる松ケ瀬。

このダマテンがあまりにもきめ細やかだったことから、実況の日吉が、

「内川さん、『超繊細なる巨砲』なんですよ! 本当は!」

と呼び名にアレンジを加えていた。

しかし、解説の内川は、

「そうなんですか」「なるほどー」

と軽く受け流していたので、この新しい呼び方は定着しないと予想される。

このダマテンに飛び込んでしまったのが、

丸山であった。

安全な【8ピン】をあとにまわして、先に【6ピン】を処理しようとしたところに、

「ロン」

無情にも松ケ瀬の声がかかる。

開かれた手牌を見つめる丸山。

「12000」

厳しい。

しかし、

丸山の心は折れていなかった。

東4局1本場

対面の松ケ瀬からリーチがかかる。

丸山はドラがトイツだが、苦しい形が多い。

なんとか追いつけるか…

追いついた! 三段目だが、【發】ドラ3の満貫テンパイだ!

通っていない牌を引かされる丸山。ここは臆さずに押していく。

丸山最後のツモ番にいたのは、

危険牌の【4ピン】だった。やめてもおかしくない牌だ。どうする。

丸山は、

「リーチ」

!!

なんとツモ番なしリーチに踏み切った!

手牌変化は無くなった。それなら松ケ瀬が掴んだときにリーチと一発が上乗せされる方がいい、という判断だ。裏ドラが乗る可能性もある。

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