鋭い読みと緻密なバランス 仲林圭はやっぱり強い【Mリーグ2022-23観戦記10／7】担当記者：東川亮

結果、2人テンパイで流局。開幕こそ派手なアガリが炸裂したが、むしろこの

ような深い読みと押し引きのバランスで点数を積み上げ失点を防ぐところが、仲林圭という打ち手の強さと言えるのではないだろうか。

だが、そんな仲林でも、防げない失点はある。5巡目にして好形の1シャンテン、不要牌のをツモ切りすると、を鳴いていた内川が

「ロン」

「8000」

ドラ3赤、さすがにこれは無理だ、しかも高い。仲林はこの放銃でトップ目を内川に明け渡すことに。

内川は南3局1本場にもピンフドラ3赤の満貫を親の白鳥から出アガリし、トップ目からさらに加点してオーラスを迎える。

伏せればトップのオーラスでも恵まれた手材料から高打点のテンパイを入れ、ハイテイでツモってハイテイドラドラ赤の満貫。内川は終盤の猛攻で一気に突き抜け、自身とチームの初勝利を獲得した。

仲林は最終局でこの日2度目のアガリを決め、2位で試合を終えた。カンドラが増えているとは言え、白鳥に逆転の可能性を与えないようにする、慎重なダマテンだった。

試合後のインタビューでは、悔しさを隠さなかった仲林。

「勝ちたかった。試合中は応援してくれている人の顔が頭に浮かんで、『勝ちたい、勝ちたい』という気になっちゃいました」

確かにこの試合では、仲林は勝利を願うファンの思いに応えることができなかった。しかし一方で、初めてU-NEXT Piratesとしての彼を見た人たちはきっと、麻雀の打ちっぷり、理路整然と局面を言語化して振り返る姿から、ある種の確信を得ていたはずだ。

仲林圭は、やっぱり強い。