俺たちのエース園田賢はドリブンズに1ヶ月ぶりのトップを持ち帰ることが出来るのか?【Mリーグ2022-23観戦記11/3】担当記者:ゆうせー

対面の仲林がすでに2副露。そこに上家の亜樹が【赤5マン】を切ってきている。
確かにダマにしておけば、下家の岡田が次に【9マン】が打つ未来をはじめ、この手をかわし手として活かすことが出来る。

ただ、まだ東4局では40100点が安全圏とは言えない。また、リーチをしたとしても他家が勝負してくれる可能性もある。

ここは、さらにリードを広げるための「決め手」としてこのハンドを使うことを決断し、

園田はリーチを打った。

我々が見ている「神視点」では、

このように、仲林も亜樹もそこまでの形ではないことが分かるので、「何を考えてるんだろう?」と感じた方も多いだろう。

このように選手が小考した場合や、何か平面効率と違った打牌をした場合には、理由を探すのがオススメだ。そうすれば、麻雀観戦にも自身の麻雀にも深みが出るように思う。

このリーチは、

園田の一人テンパイで流局。中押しのアガリとはならなかったが、さらなる点差をつけて南場に突入だ。

南1局1本場に、亜樹が動いた。

南家の亜樹は、3巡目にカン【4ソウ】をチー。打【發】とした。

懐の深い亜樹が早めに動いたとあって、場に緊張感が走る。

さらに、

亜樹は終盤に差し掛かるところで【8ピン】をチー。

【8ソウ】とした。

その瞬間、

全員の打牌がスローになった。

亜樹の手を読んで、自分がどう立ち回るかを整理していたのだ。

まず園田視点では、

ドラの【白】が2枚あるのが大きい。亜樹が【白】アンコではないと分かるからだ。

それもあって、亜樹の仕掛けはタンヤオの可能性がかなり高いように見える。亜樹の打点が安いのならば、打って局を流してもいいという考えもあったそうだ。

ここでは、手出し【8ピン】があったとはいえ亜樹の仕掛けに【3ピン】【4ピン】をゴリ押ししている仲林に、マンズや字牌は打ちづらい。

一旦打【3ソウ】として、そのあとは様子を見ながらソウズを打つことになりそうである。

しばし考えた後、園田は【3ソウ】を切った。

続いて、

岡田視点では、

ここはまず、亜樹の【白】アンコの可能性を考えないといけないから大変だ。

また、これは全員に言えることだが、亜樹の最後手出し【8ソウ】は手牌に関連していたとは限らない。安全度の高い牌として残していた可能性があるからだ。待ちを【8ソウ】近辺と絞ることはまだできない。

何を切るか。

仲林が下家にいることも含めて、マンズと字牌は打牌候補から消去。【2ピン】も亜樹に【2ピン】【5ピン】待ちがあるので除いて、切るなら【6ピン】【7ソウ】

【7ソウ】が当たると仮定すると、【7ソウ】【8ソウ】と持っていたところからの【7ソウ】単騎待ちがあるが、それなら仲林が切った【6ソウ】は鳴いていそうである。【7ソウ】【7ソウ】【8ソウ】でもほぼ同様。役牌が絡むシャンポンで【7ソウ】【7ソウ】【8ソウ】【白】【白】のような形でも【7ソウ】は当たらない。

一方の【6ピン】に関しては、亜樹は【3ピン】を鳴いていないので、【4ピン】【5ピン】【6ピン】【7ピン】からの【8ピン】チー【3ピン】【6ピン】待ちは薄そうだ。【6ピン】もかなり通りそうではあるが、【5ピン】【6ピン】【7ピン】【7ピン】【6ピン】【6ピン】【6ピン】【7ピン】からの【8ピン】チーは組み合わせとして残っている。

よって、ここで岡田は打【7ソウ】としたのだろう。

最後に、

仲林視点では、

ここも亜樹が【白】アンコであるパターンを含めて考えないといけないから大変だ。もちろんタンヤオもある。

切るのは先ほど鳴かれなかった【2マン】になるだろうが、【白】はもちろん【2ピン】【6マン】は打てない。よって、ここから【西】【北】を鳴くことは控えておこうか、ということも含めて思考整理をしていたのではないだろうか。

仲林は、打【2マン】とした。

亜樹の手は、

このような【中】アンコでの仕掛けであった。ここらフリテンの【3ソウ】を切ったが、【9ソウ】がもうないので、亜樹は次巡に打【9ソウ】として単騎を変えていった。

この後、他の選手は亜樹の【8ソウ】【9ソウ】の切り順から、タンヤオではなく役牌絡みの手が濃厚(タンヤオならここまで【9ソウ】が残っているのがおかしい)、さらには単騎待ちを転がしている、と読んでいった。

こういった読み合いによる攻防もMリーグの醍醐味の一つだ。

私が他に切る牌はなかったかな、と感じたのが、

園田がここで打【北】としたシーンである。

先に仲林が通しているが、それは亜樹が打【9ソウ】とする前のことだ。もちろん仲林の手に残っていて、この土壇場で打ち出す【北】が1枚であるケースは少ないだろう。アンコからの切り出しなら当たらないし、2枚落としだとしたら、亜樹が前の手番で【北】を引いてきたときしか放銃することはない。

ただ、僅かな可能性とはいえ当たり得る牌だ。園田視点からは【白】アンコがないし、亜樹がアガると局が進むとはいえ、【中】アンコの赤赤の手に打ち込む可能性は0ではなく、それは歓迎でないだろう。

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