ここからを切りハネマンに受けての放銃。この判断自体は難しいところだが、近藤の
「よりの方が放銃率が高い」
というコメントが気になった。
が4枚見えている。
たしかにカンかペンで言うと自分が2枚持っている分、少しだけの方が当たりやすいとは言える。
しかしシャボ待ちで言うとの方が当たりやすい上に、小林の仕掛けに注目してほしい。
字牌からの切り出しで最終手出しが(超危険牌)であることからして、ホンイツはほぼない。
役牌()アンコもなくはないが、が必要な役… 456の三色かイッツーを真っ先に警戒すべきだと言える。
もしイッツーと考えた時、とでは放銃率に差がある。他の形にもよるが
では後者のほうが仕掛けやすく、の方が当たりやすいと言えるのだ。
だから近藤のコメントに違和感があったのだが、近藤は日向のリーチをメインに語っていることがわかる。
ともあれ
近藤は唇をかんで悔しさをにじませた。
絶対的エースとしてチームの屋台骨を支えてきたが、ここ数年は結果が出ない。
今季にいたっては未だ未勝利で32人中32位のスコアに甘んじている。
結果が全て
ワールドカップが一気に注目を集めたのは、日本が強豪ドイツに奇跡の勝利を収めたからだ。奇跡だろうと偶然だろうと、勝利が全て。浅野や堂安のゴールは茶の間を賑わし、英雄と讃えられた。
その一方で、敗戦に終わったコスタリカ戦では「吉田のクリアが中途半端」「伊藤のバックパスが多くて見てられない」など戦犯探しが始まり、日本は叩かれまくった。
勝者が讃えられ敗者が叩かれるのは、サッカーや麻雀に限らず、勝負事全般に言えることだ。
近藤は、ファンに心配させないよう普段はおちゃらけて平然としているように見せているが、内面では悔しさの炎に焼かれている。口を真一文字に結ぶ近藤を見て、そう感じた。
逆にアガった小林は、好調とか不調とか1mmも気にしないタイプである。
結果としての上振れ下振れはあるものの、未来への影響はZERO。
最善を尽くすことには変わらないのだ。
とはいえ、東3局1本場で
6巡目、ドラいっぱいの手牌でリーチを打つも
うまく回った松ヶ瀬のタンヤオのみ(1500は1800)に蹴られてしまい、逆に次局は
日向のドラいっぱいの手にダイブしてしまう。
ピンフ・ドラ3・赤2の12000は12300の放銃。
結局、不調チームの2人(近藤・小林)が大きく点数を減らす幕開けになった。
ここまでくっきりと好不調が分かれるとさすがの小林と言えど…
あれ、やっぱり何も感じていなそうだ。
「その手牌はダマにするね」
とか考えていそう。もしくは
「がサッカーボールみたいた」
…とは考えていないか。
待望のゴールラッシュ
きっかけは、なんてことのない1つのポンだった。
親番を迎えた近藤が、ここからを一鳴き。
門前のままでは高くなりそうもないし、ポンする手ではあると思うのだが近藤が鳴くのは意外だ。
待ちのテンパイから今通ったばかりのタンキに待ち変えする。
ただでさえ絶好だが、字牌を持つ打ち手の多いMリーグのフィールドではますます絶好と言えるのかもしれない。
これをアガって、まずはのみの1500点。
そして運命の1本場。
まずは印象的だったのが日向のこの選択。
日向はここからを切った。
いやいや、いくらなんでも消極的すぎだろう。と思って牌譜を開いてみる。