豪胆、屈強、怪腕 セガサミーフェニックスには、東城りおがいる【Mリーグ2022-23観戦記2/6】担当記者:江崎しんのすけ

そしてさらに次巡、カン【8ピン】を引き【4マン】【7マン】でテンパイを入れる。
リーチ・ドラ5。文句のない勝負手だ。

対局室に村上のリーチ発声が響き渡る。

このリーチ合戦、村上の欲しい【4マン】【7マン】は山に4枚、東城の【3マン】【6マン】は村上に4枚使われていながらも【6マン】が2枚生きていた。

制したのは枚数が多かった村上。
東城が残り2回のツモ番で【4マン】を掴み、村上へ12,000点の放銃となる。

ツモに恵まれた村上だったが、仮に【中】を鳴いていく構想で進めていた場合、対面の仲林から直後に切られた【中】をポンすることとなり、その場合テンパイすらたどり着けていなかった可能性が高い。

不調に苦しむリーチ超人が、持前の胆力でか細いアガりまでの道筋を見つけ出す。

幸先の良いスタートを切った東城だったが、この振り込みにより再び原点に戻される。

更に南1局ではラス目・ライバルである岡田が4,000オールをツモ。

南1局1本場では3着目だった仲林が1,000-2,000ツモ。

南2局1本場では、ツモれば高目跳満の3面張リーチをかけるも

なんとこれが流局。

スタート時は東城の独走状態になるかと思われたが、南3局を迎えた時点では16,900点のラス目となっていた。

南3局2本場、東城の最後の親番、配牌はこちら。

赤が2枚とドラが1枚あるので打点は十分だが如何せん形が悪い。
時間がかかるかと思われたが...

なんとわずか6巡でこの配牌に。
東1局と同様にピンズが東城の味方をする。

こうなれば【赤5ソウ】に用はない。【7マン】【5マン】落としからの打【赤5ソウ】で、場に戦慄が走る。

3巡後、西家の岡田が引いた【中】をツモ切り。
その【中】を東城がポンしてイーシャンテンとなる。

わかりにくい形になっているが、出来上がっている【3ピン】【4ピン】【5ピン】【8ピン】【8ピン】を抜くと【1ピン】【3ピン】【5ピン】【6ピン】が残っているイーシャンテンになっている。

イーシャンテンにはなったものの、ネックはやはりドラ表示牌の【2ピン】だろう。東城のあからさまな染め仕掛けに、上家の村上は既に絞り気味な打牌を選択しているので、おそらく鳴けることも無い。

しかし、今日の東城のツモは想像をはるかに超えてくる。

次巡、ネックかと思われたドラ表の【2ピン】をあっさりと引き入れる。
ホンイツ【中】・ドラ3の18,000点テンパイ。窮地に立たされたフェニックスを救う起死回生の勝負手。

待ちは【4ピン】【7ピン】。山に眠っている待ちの枚数を実況の日吉プロが数える。

「…6枚!?」

テンパイしているのは一人だけ、山には当たり牌がごっそり。
これをツモれない訳がなく、東城は悠然と【7ピン】をツモる。

6,000は6,200点オールのアガリ。東城は4着が一気にトップ目へと駆け上がる。

アガりだけ見ても18.6pt分の加点、更に順位点を考慮すれば4着の-30ptが消えトップの+50ptが加わるので合計で+98.6ptに値するアガりだ。

しかも目下のライバルである岡田の着順を3着から4着にダウンさせることにも成功したため、サクラナイツとのポイント差だけで言えば+118.6ptに値する。

試合開始前のサクラナイツ・フェニックスのポイント差は277.8ptなので、このまま終われば1試合で実に3分の1強を縮めることになる。

まさに値千金。不調のフェニックスに、東城の怪腕が希望を与える。

守る立場となった南4局でも、その剛腕っぷりは遺憾なく発揮される。

親番の仲林が【南】をポン。マンズのホンイツへと向かう。

【7マン】を引き入れ、ペン【3マン】待ちのテンパイを入れる。

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