豪胆、屈強、怪腕 セガサミーフェニックスには、東城りおがいる【Mリーグ2022-23観戦記2/6】担当記者:江崎しんのすけ

仲林に対して上家の東城。仲林に鳴かせないように牌を絞る選択もあるが、【中】を鳴いて応戦!

カン【3ソウ】のテンパイをとり打【4マン】とする。
親の仲林がアガってトップが危うくなるのも、岡田がアガって3着に浮上するのも受け入れることはできない。ベストな並びであるこの状態のままゴールするために、東城は力強く前へ出る。

結果は3人テンパイのめくり合いから東城が競り勝つ。
【3ソウ】をツモり、自身の手でトップを確定させた。

フェニックスにとって、セミファイナル進出に向けて理想的な並びでの一勝となったこの試合だが、オーラス2着目だった村上にはある選択があった。

それは東城が【中】をポンしたとき──

今シーズンまだトップがなく、チーム状況も相まって喉から手が出る程トップが欲しい村上だが、東城が【中】をポンした巡目で打【8ピン】としベタオリを選択する。

リーチ一盃口をツモればトップになることができるが、【8ピン】が2枚切れているうえに東城・仲林がテンパイ濃厚。
ここからの押しは見合わないと判断し、安全牌の【3ピン】を抱え完全撤退の【8ピン】を選択する。

仮に村上がトップをとるために押しを選択していたら、次巡カン【5ソウ】を引きテンパイを入れ、もしかすると残り1枚の【8ピン】に賭けリーチをかけていたかもしれない。

すると同巡、東城が【8ピン】をすぐに掴んでいたことになる。
東城の目から見て無筋かつ8枚目の【5ピン】【8ピン】になるため、打たれることはなくオリに回ってただろう。

そうなるともしかすると仲林・岡田にアガリの目があったかもしれない。特に岡田がアガっていた場合は3着に浮上し、理想としていた並び順が崩れていた可能性もある。

どうなっていたかは誰も知る由もないが、あの追い詰められた局面で、村上はベストな選択をしたことは確かだ。

苦しむ下位2チームが作り上げた、会心の並び順。
この結果により、ボーダーとのポイント差を大きく縮めることに成功した。

最後に笑っているのはどのチームか──
勝負の行方は、まだまだわからない。

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