「山ちゃん、今度新しい対局モノやるから、一緒にホストをやって原稿書いてくれないかな」
小島武夫プロは、手役重視の魅せる麻雀に徹していたので、まさか私が指名されるとは思ってもいませんでした。
私は芸術点無視の「棒テン即リー」の推奨者なのに。
この対局で勉強になったのは、小島プロは自分が目指す最終形にどれくらいのツモ数が残されているかを常に計っていたこと。
ワキが仕掛けて来ても、なるべく鳴き返さずにミッション堅持。
なんとか大物手をテンパイした時にはワキのアガり。
どちらも素晴らしい麻雀ですよね。
「俺たちプロは観戦者がすぐに納得できるような打牌じゃダメなんだよ。その場では分からなくて、結果が出てなるほどと思わせるくらいじゃないと。ガハハハッ」
私事の余談かもしれませんが、双葉社のMさんに、ある時名人戦の観戦記を依頼されました。
推薦してくれたのは元名人位の安藤満プロや井出洋介プロだったと聞きました。
せっかく推薦してくれたのに、私のドライな観戦記はMさんに遠く及ばなかったようで、1年きりでクビになってしまいました。
現在は解説や観戦記や戦術本のレベルはさらに高くなっており、素晴らしい時代だと実感します。
(文:山崎一夫/イラスト:西原理恵子■初出「近代麻雀」2019年12月号)
●西原理恵子公式HP「鳥頭の城」⇒ http://www.toriatama.net/
●山崎一夫のブログ・twitter・Facebook・HPは「麻雀たぬ」共通です。⇒ http://mj-tanu.com/
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