徐々に渋川の河が派手になっていく。
これに反応したのが、親番の白鳥だった。
8巡目の手牌。白鳥は選択を迫られる。
カン受けができたところだが、孤立牌のにくっつけば345の3色も見える。
白鳥目線の河はこうなっている。
をツモ切った渋川が親の安牌であるもツモ切ってきている。
白鳥は対局後のYoutube配信にて、「このツモ切りで、渋川の手は暗刻系の手だと思った」と話していた。
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一見、七対子っぽく見えるが待ち頃のをツモ切ったとなればそれも否定される。この地点で四暗刻も読み筋に入っていたそうだ。
そうなると、やなど周りの場況が良いが、1枚も見えていないとなると渋川が固めて持っている可能性も高い。
実際には渋川が暗刻で持っていた。
渋川の手を正確に読み、白鳥は打を選択する。
この白鳥の一打が、逆に渋川に良い影響を与える。
同巡、渋川はを重ねる。
七対子のテンパイに取れるが、もちろん取るつもりはない。
暗刻になりやすいトイツを選んでいく。
渋川視点の捨て牌がこちら。
白鳥が打を選択していなかったら、渋川は孤立牌の西を切って全てのトイツを残していたかもしれない。
しかし白鳥がを切ったことで、渋川の視点からが4枚見えになったのだ。
そうなると暗刻にならないは残しておく必要がない。
のトイツを落とし、が重なる余裕を持たせておく。
次巡、4枚目のを引く。ポンするつもりならカンする一手だが、鳴くつもりは元々無いのでまだカンはしない。
そして3巡後、残していたが重なる!
このタイミングでをカン。
リンシャン牌は。これでとうとう四暗刻のイーシャンテンに。
渋川は少考の末、のトイツ落としを選択した。
枚数だけでいえばを切りたいが、が山に何枚いるか読みにくいことと、もし四暗刻にならなくともを落とせばソーズのホンイツが確定し高打点が見込める。
そして同巡。親の白鳥にテンパイが入った。
平和ドラ1のテンパイ。リーチに行きたいところだが、待ちのはが既に4枚見え、は一枚切れている。
白鳥はもう一度河に目をやる。
直前に渋川がを手出ししている。
序盤にをツモ切りしている渋川がを切ってきたとなれば、これまでの読みからもトイツ落としである可能性が高い。
ターツ選択が入っているということは、イーシャンテンまでは育っていそう。そしてチーム状況を考えると、オリずに追いかけてくることは大いにあり得る。
白鳥の決断は、リーチだった。
白鳥はこの待ちに勝機があると読んだ。
ポイントは直前に切られた渋川の。
まず本田と仲林は序盤に・を切っているため持っていない可能性が高い。残りは先ほどのと同じように渋川が固めて持っている可能性だが、仮に渋川がをトイツで持っていた場合、は場に1枚切れに対しては1枚も切れていないため、ではなくを切るのではないだろうか。
この白鳥の読みはほぼ当たっており、残りのは1枚を本田が、残りの2枚は山に生きていた。
親リーチを受けた渋川。
しかし、当然オリる訳はなかった。
リーチの1発目には、トイツ落としの最中だった無筋のを切る。