南2局、一片(ひとひら)の
桜が舞い落ちた
ゼウスが誇る桜姫
桜凛月の奮闘劇
第8試合の観戦記を読んでいない方は、是非そちらに目を通してから本記事を読んでいただくと、流れがわかりやすいかと思う。
【 #神域リーグ2023 第三節第8試合観戦記】あなたの欲しい牌、頂きます 大怪盗ルイスキャミ―が 昨年のチームエースに挑んだ結果【文 #後藤哲冶 】
面倒だ! という方のために簡単に説明をしておこう。
第8試合試合に臨んだチームゼウスのルイス・キャミ―は、多くの巧手を打ちながら、ラスに沈んだ。
悲しみと共に控室配信に帰って来たルイスを慰めたのは、彼女の姉でもある桜凛月。
この日最後の試合を、桜が任されている。
「よくもルイスをー!」
妹の仇をとるのは、私。
しかしその目標を達成するには、あまりにも大きな壁が立ちはだかった。
第9試合
東家 松本吉弘 (チームヘラクレス)
南家 桜凛月 (チームゼウス)
西家 歌衣メイカ (チームアトラス)
北家 白雪レイド (チームアキレス)
言わずとしれた、今年のMリーグ覇者、松本吉弘プロ。
本日絶好調で3連投に打って出てきた実力者、白雪レイド。
昨年MVP。神域では無類の強さを発揮する漢、歌衣メイカ。
普通なら挑むのにすら緊張しそうな戦いの前でしかし。
「よろしくお願いします!」
桜はいつも通りだった。
この大舞台で、いつも通りを貫くのは簡単ではない。
まずは気持ちの部分で、気おくれしないことが大事。
桜の挑戦が始まった。
東1局、この桜の挑戦は、困難極まる旅路となる。
まず、親の松本から早々にリーチが入り、更には歌衣からも追っかけリーチ。
その直後に、桜は追い付いた。
しかし、待ちのが残り少ない。は全て無くなり、は3枚ある表示にはなっているが、ど真ん中のを誰も使っていないというのは考えにくい。
事実、この時はもう残り1枚だった。
この残り1枚に全てをかけるのは、親とそこに追っかけてきた相手には危険すぎる。
第一、出ていくは歌衣には通っていない。
桜はここはを切ってのオリを選択。
しかし。
無慈悲に河に並ぶ。
流石にそれは捉えられない。
そしてほどなくして松本がツモ。
高目のツモは6000オールの大きすぎる加点だ。
続く1本場は、高打点の種はできながらも、テンパイまでは果たせず。
ここもノーテン罰符での失点となってしまう。
東2局
親番を迎えた桜だったが、本日絶好調の白雪から早すぎる2巡目リーチ。
そこに対応しつつ進めていると、カンを引いて思いもよらぬテンパイ。
これを桜はダマテンに構えた。
現状役はない。他者からのロンができないので、親だしリーチ、と乱暴に行きたくなるものだがグッとこらえた。
ツモるならそれでよし、そしてドラのやなどの良形変化牌を引いてきたら――