【 #神域リーグ2023 第5節第13試合観戦記】神域の空に、 朝郎(ぼら)け 艱難辛苦乗り越えた先で 朝陽にいなは【文 #後藤哲冶 】

ルイスの一発ツモという形で決着。
これでルイスが朝陽を逆転。トップに躍り出る。

東3局

朝陽が丁寧に手を進める。
ここはセオリー通り【5ソウ】切り。どこかのリャンメンを固定する必要があり、ならばドラの【7ソウ】を受けられる【5ソウ】【6ソウ】のターツを固定。

安全牌候補の【北】が来て一旦手に留めるか悩むが
「4枚生きてるならそのままだね」
とここは【北】をリリース。
【1マン】【4マン】のターツが【1マン】が3枚見えで苦しい。であれば、【3マン】【9マン】の暗刻を逃したくない。
ここは目一杯に構えることを優先。

丁寧に育てて、テンパイまでたどり着いた。
【1マン】【4マン】の先制リーチ。リーチピンフドラ赤で、打点も十分。当然のようにここはリーチへ。

終盤に、朝陽とトップ争いをするルイスが追い付いた。
リーチドラ1の【6ピン】【9ピン】待ち。現状ライバルの朝陽からのリーチということもあって、ここはトップを取るためにリーチで追いかける。

このリーチ対決はお互いのアガリ牌が2枚ずつという五分の勝負。
勝った方がトップに近づく東場の分水嶺。
勝負はなかなかつかず、流局間近。
誰も仕掛けも入らず、ハイテイ牌は南家の朝陽へ。
まだ、ルイスのアガリ牌も、朝陽のアガリ牌も山に残っている。

結果は――

「あーい!」

神域の舞台で聞きたかった可愛らしい声が響いて……心の底から嬉しかった。
海の水面に、眩しいくらいの朝陽が映える。

ハイテイでのツモは無条件で3000、6000の加点。
トップを大きく手繰り寄せるアガリとなる。
そして朝陽は、まだまだ止まらない。

迎えた東4局の親番。
朝陽が先制テンパイ。ダマでも7700点あるこの手は、ダマでも良さそうだが。

ここはリーチでたたみかける。親リーチは相手の手を素直に進ませないメリットがある。
更に言えば朝陽のこの手は手変わりも乏しい。ここは強くリーチへ。

「親リーチにふれひせ~! ふれひせ? ひれ伏せ~!」

ひれ伏せだね、うん。可愛いね?

朝陽に【5マン】が通り、【8マン】がスジになる。
そして、ルイスの手にぽつりと浮いていた、【8マン】

これを捉えた。2着目のルイスから12000の直撃はあまりにも大きすぎる一撃。
スジになってしまったこともあり、ルイスもこの放銃は責められない。

あれだけ苦しかった時期を超えて、遠くにトップが見えてきた。
陽が昇るまで、あと少し。
東4局1本場はルイスの500、1000ツモアガリで、勝負は南場へ。
ここから、朝陽は1人ずつ親を落としていくことを求められる。

まずは南1局
現状2着目のルイスの親番だ。ここは確実に流したい。

【4ソウ】チーという発想も持っていたこの手牌だったが、メンゼンでテンパイならリーチ。
ドラを2枚従えての、シャンポンリーチ。

なんとこれを望外の一発ツモ……!
今日は幸運に恵まれている。
あんなことがあったのだ。今日くらいは、これくらい幸運だっていいじゃないか。
いよいよ6万点を超えて、最高得点賞が見えてきた。

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