”逆転のお滝” vs “Mリーガー狩りの浅井” その間隙を縫って舞い踊るは、”天衣無縫”【Mトーナメント2023/7/30 SEMI FINAL A卓】担当記者:渡邉浩史郎

まだ鈍いながらも赤い輝きを魅せる。8巡後には……

赤く輝くルビーに大変化!【6マン】を切ればメンホン・ピンフイーペーコー・赤までは確定のダマテンハネマン、【5マン】ならリャンペーコーがついてのダマテン倍満だ。

しかし通過のために目指すは浅井までの25600点ならばここはと……

リーチに打って出た!これで自模れば確定倍満!高めの【5マン】一発ツモならなんと三倍満だ!

滝沢渾身のリーチはなんと山に五枚!”逆転のお滝”がこの手をリーチと決めて……

ツモれないわけがない!!8000オールで浅井への放銃を振り出しに戻して余りある加点!!

浅井と滝沢、互いが互いに食らいついて離さない。

【南2局】に入ってなお、二人の点差はわずか900点。
まるで卓上には二人しかいないかのように、バッチバチにぶつかり合う。

しかしここで渋川が動く。局を進める和了りは滝沢の放銃となった。
これで最短残り2局、遂に浅井が決勝に半身を乗り出した。

【南3局】

ここまでおとなしかった瑠美が親番。配牌を見てのこの表情が意味することとは……?

ドラドライーシャンテン!現状急所こそ残るが、かなり強力な配牌だ!

流したい浅井も悪くない手。先手を取ったのは……

瑠美だ!カン【3マン】でリーチ!

このリーチに対して難しいのは浅井。瑠美が二着に上がってしまうと、浅井はトップでも瑠美と11200点以上差をつけないといけなくなる。

浅井からすれば大きな山場。回るならソウズの下になりそうだが……

真っ直ぐ無筋の【2マン】を打ち抜いた。この手でこの巡目のライバルのリーチに降りても苦しくなるだけ。真っ直ぐこそが最速最善の勝ちを拾えると判断した。

浅井からしても全く気に入らない聴牌。しかし瑠美を止めるため、リーチに踏み切った。

全く情報がないこのペン【7マン】がなんと山に4枚!一方の瑠美は山に2枚。枚数的には有利だが、結局最後は山への積まれ方次第なのが麻雀。麻雀の、トーナメントの女神がほほ笑んだのは……

瑠美だ!
裏ドラ表示牌が【3マン】、ツモ山にいた最後の【3マン】を力強く引き寄せての4000オールは渋川以外の全てをひっくり返した。

現状の通過は渋川と瑠美だが、滝沢はわずか2800点差の浅井を捲れば瑠美と入れ替わり。
浅井は瑠美の着順を落とすか素点で11900点つければいいだけ。まだまだ誰が通過するかわからない。
瑠美も祈るように牌山を上げる。

【南3局1本場】、滝沢が先制リーチで場に圧をかけていくも……

はねのけたのはまたしても浅井!追っかけてのオナテンツモり上げは滝沢に条件を押し付けた!

まだ通過のラインは渋川・瑠美。
浅井は引き続き瑠美の着順が落ちるか素点を稼ぐか。
滝沢はトップを捲る和了りであればなんでもOK。

浅井の配牌は悪い。ドラの【西】から切り出して、滝沢の満願成就を少しでも厳しくなるようにしていく。

滝沢もマンガン条件を考えると決して楽ではない手。

7巡目で浅井が動いた。
【8ピン】をポンして遠くにタンヤオをにらみつつ、場に牽制の意味も込めた形式聴牌上等の仕掛け。
どうせ門前で先制リーチにたどり着きにくい手牌な以上、親リーチを捨てるデメリットもそこまで大きくないという判断か。

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